「屋根のサビはどうやって補修するの？」
「屋根のサビを防ぐためには何をすればいいの？」
上記の疑問は、ご自宅の屋根のサビが気になる方やメンテナンスを検討されている方によくあるものです。
サビは放置すると屋根材を劣化させ、最終的には穴あきにつながります。
適切な補修の方法やタイミングがわかれば、「知らぬ間に屋根がボロボロになっていた」という事態は避けられるはずです。
本記事では屋根のサビの原因や種類、対処法を解説します。
屋根にできたサビは、小さくても放置すると重度の劣化につながる可能性があるものです。
一般的にサビは突然起こるのではなく、チョーキング（表面の微粉化）や色褪せなどの劣化を経て生じます。
サビが発生している時点で屋根全体にはある程度の劣化があると想定されるので、メンテナンスの検討が必要です。
下記に該当する場合、金属屋根の劣化スピードが早まる傾向にあります。
・屋根材がトタンである
・サビの上からサビ止め塗料を塗っている
・施工したサビ止め塗料の性能が低い
・海に近い立地で塩害を受けやすい
それぞれ詳しく解説します。
トタンは表面に亜鉛メッキが施されていますが、内部は鉄製のため錆びやすい性質があります。
紫外線や雨風などでトタンのコーティングが剥がれると、鋼板がむき出しになってしまいます。
錆びは徐々に進行し、放置すると屋根材に穴があくリスクもあり危険です。
内部に雨水が浸入すると雨漏りにつながり、住宅の寿命が縮む可能性もあります。
サビ止め塗料は、本来空気中の酸素を吸着し金属の酸化を防ぐものです。
サビの上から塗装した場合、サビからも酸素を受け取り本来の酸化防止力が弱まってしまいます。
表面上はきれいに見えるかもしれませんが、サビの進行は止められず早期に塗装が剥がれる可能性が高くなります。
サビ止め塗料はサビを十分に落としてから塗装することが重要です。
通常、防錆塗料が施されている場合はサビの予防が可能です。
しかし性能が低い塗料は早期にサビが発生する場合があります。
サビ止め塗料は主に油性系とエポキシ樹脂系の2種類です。
なかでもエポキシ樹脂系は水に強い特徴がある反面、紫外線に弱い特徴があります。
塗料との相性が悪いと耐久性が落ちる場合があるため、サビ止め塗料によってサビやすさが変わります。
金属屋根は塩分に弱く劣化が進行しやすい性質です。
沿岸部の建物は潮風に乗って海中の塩分が運ばれます。
金属屋根に付着すると酸化を促進し、サビが発生してしまいます。
屋根の表面や軒先に付着した塩分を放置するとサビによってダメージを受け、穴があく場合もあり危険です。
とくに、屋根が横葺きだと溝に雨水や塩分がたまりやすくなり、サビにつながります。
こまめに屋根を水で洗い流し、塩害を最小限に抑えることが重要です。
屋根にサビが発生する原因には、下記が挙げられます。
・経年劣化
・もらいサビ
・手抜き工事
それぞれの原因を具体的に解説します。
屋根は日々紫外線や雨風によるダメージを受け続けているので、表面の塗膜も徐々に減少しています。
塗膜が減少するとチョーキングや色褪せが現れ、金属が剥き出しになった部分から次第にサビはじめます。
金属以外の屋根材でも、棟板金や雨仕舞などの金属は雨水の付着によりサビが生じる可能性がある部分です。
また塩は吸水性が高く金属に付着すると局所的にサビを進行させるので、潮風に晒される立地はサビの進行も早くなります。
もらいサビとは既に生じたサビが雨水などに溶けだし、他の部分に付着することでサビが拡がっていく現象です。
本来は外的刺激に晒されにくくサビにくい部分や金属以外の屋根材でも、もらいサビを受けることはあります。
下記は、屋根材以外でもらいサビの起点となりがちな部分です。
・手すり
・屋根材を固定する釘やビス
・雨樋の金属部分
・アンテナやソーラーパネルなどの金属部分
サビは水に溶けやすい性質を持つので、放置しておくと小規模のサビが広範囲になるリスクがあります。
屋根のサビは、工程や塗料量が不適切な手抜き工事から生じることがあります。
塗装前の洗浄が不十分であれば、上から塗装しても塗料の密着度が低下し、すぐに剥離しがちです。
特に既にサビがある屋根にサビ止め塗料を施工している場合、塗料の性能も低下します。
また塗料を塗る回数や量が少ないと、妥当な防水性や耐用性が得られません。
前回の塗装から数年程度でサビが生じる場合、手抜き工事が原因の可能性があります。
屋根に生じたサビは、発生して日が浅ければ放水やブラッシングなどで補修できることがあります。
ただしある程度時間が経過しているサビであれば、小規模でも業者による洗浄と塗装が必要です。
下記の工程で、屋根のサビを補修します。
・高圧洗浄で汚れを除去する
・ケレンで古い塗膜やサビを擦り落とす
・下塗りにサビ止め塗料を施工する
・中塗り、上塗りを施工する
ただし重度のサビがあり屋根材の劣化が激しい場合、上記の方法では対処できません。
屋根の下地材から新しくする「葺き替え」や新しい屋根材を重ねる「カバー工法」の検討が必要です。
屋根に発生したサビの補修費用はメンテナンス方法により異なります。
塗装するのか、カバー工法や葺き替え工法するのかで金額に差が生じるからです。
メンテナンス方法は屋根の劣化具合によって決まります。
正確な費用は見積もりを依頼し、確認してください。
DIYで屋根に発生したサビの補修をしないほうがよい理由
屋根の工事は高額な費用がかかりがちなので、自分で済ませたいという方は多いものです。
しかし、下記に挙げる理由でDIYはおすすめしません。
・屋根全体のサビ汚れを落としきるのは難しいから
・屋根材に穴を開けてしまうリスクがあるから
・屋根から転落する危険性があるから
以下では、それぞれの理由を具体的に解説します。
屋根全体にサビがある場合、自力ですべてのサビを落としきるのは困難です。
通常、業者は高圧洗浄機や専用の電気工具を使って屋根の汚れを除去します。
素人でもホースを屋根上に送り放水できますが、水圧が弱いため念入りに作業せねば汚れを完全に除去できません。
またケレンやサンダーなどの工具は金タワシなどで代用できますが、広範囲の汚れを擦り落とすには非効率です。
屋根工事のDIYは、一見手軽にでき費用を抑えられる方法に見えるかもしれません。
しかし多くの時間を要し失敗も生じやすくなるため、トータルコスト・ランニングコストともに高くなりがちです。
屋根材に劣化がある場合、屋根の上で作業をしていると屋根材に穴をあけてしまうリスクがあります。
一般的な金属屋根は非常に薄いです。
作業の力加減が不適切であったり同じ箇所を研磨しすぎたりすると、逆に屋根材を傷めてしまっている可能性があります。
サビの進行が重度で既に屋根材が脆くなっている場合、少しの刺激で穴があきやすくなっているかもしれません。
万が一屋根に穴をあけてしまった場合、雨水の浸入が容易になり建物全体の寿命が縮まってしまうリスクがあります。
高所での作業はバランスを崩したり滑ったりした際、転落のリスクがあります。
またサビの発生箇所は金属の強度が弱まっていることがあり、予期せぬトラブルが起こりがちです。
さらに屋根工事の経験や専門用具の装備がない状態では、安全に配慮した動線を確保できず余裕を持った作業が難しくなります。
物損や第三者を怪我させてしまう事故にもつながることがあるので、屋根のサビの補修は専門の業者に依頼するのがベストです。
屋根に発生するサビの種類には、下記があります。
・赤サビ
・白サビ
・青サビ
・黒サビ
それぞれのサビの特徴を紹介します。
赤サビとは鉄や銅に発生する、赤茶色のサビです。
進行とともに金属の強度を下げる性質があり、重度の赤サビは屋根材の穴あきの原因になります。
また水に溶けやすいのでもらいサビを起こしやすく、拡大しやすいサビです。
白サビとは亜鉛やアルミニウムに生じるサビで、ガルバリウム鋼板（亜鉛合金めっき鋼板）に生じやすい傾向があります。
ガルバリウム鋼板の白サビは、進行すると赤サビにつながります。
白サビの特徴である複数の白い斑点が屋根の表面に見られたら注意が必要です。
青サビは緑青（りょくしょう）とも呼ばれるサビで、銅に生じるサビです。
他のサビとは異なり、屋根材の抗菌力を向上させ保護膜として作用する性質があります。
また人体にも無害なので、和風建築などではあえて青サビを屋根材に生じさせることもあります。
黒サビは主に鉄や銀に見られるサビです。
黒サビは金属を高温で熱することによって表面に生成されます。
水分がなくても発生するため、自然にできることはありません。
固くて金属に密着する黒サビは保護膜として機能し、腐食から守る効果が期待できます。
屋根のサビを防ぐためのポイントを紹介します。
・塗装やコーティングでサビ予防する
・サビにくい屋根材を選ぶ
・こまめに掃除する
・定期点検を行う
屋根のサビを予防して長持ちさせるためにも参考にしてください。
屋根のサビを防ぎ耐用性を高めるには、10〜15年ごとの塗装メンテナンスが必要です。
「サビ止め塗料だけでメンテナンスできるのでは？」と考える方がいますが、サビ止め塗料は下塗りにしか使えません。
耐用年数も5年程度と短いので、単体で使用せず必ず上塗りを行う必要があります。
また使用する塗料の性能や建物の立地などでも屋根材の寿命は変わるので、定期的な点検が重要です。
適切なタイミングで塗装を行えば、屋根の寿命を大幅に伸ばせます。
サビやすさは屋根材によって異なります。
たとえば、金属屋根のガルバリウム鋼板はサビに強い特徴があります。
ガルバリウム鋼板に含まれている亜鉛は耐食性が高く、サビの防止効果が期待できるからです。
ただし屋根は風雨や紫外線などを受けやすいため、経年劣化によるサビは避けられません。
どの屋根材を選んだとしても、こまめな掃除や定期点検で良好な状態を維持する必要があります。
屋根を長持ちさせるためには、定期的な掃除が必須です。
屋根は風に乗って落ち葉やゴミがたまりやすい部分です。
放置していると腐敗し、屋根の劣化を早める可能性があります。
見えている部分に汚れやゴミがあったら、こまめに掃除しておくのがおすすめです。
ただし屋根の掃除は高所作業のため危険がともないます。
手の届かない場所までは無理に行わず、屋根業者へ依頼してください。
自分でできる掃除にくわえて、専門業者による定期点検を行うことが重要です。
業者に点検してもらうことで屋根の状況を把握できます。
建物の一番上に位置している屋根は、傷んでいても自分では気づきにくい部分です。
最初は小さなサビだったとしても、進行すると穴があき雨漏りにつながるおそれもあります。
雨漏りは建物全体の寿命に影響する危険があるほか、劣化が大きくなればなるほど補修費用が高くなる傾向です。
定期的に点検し、屋根の状態に合わせて適切にメンテナンスする必要があります。
屋根のサビが進行しているなら屋根カバー工法と葺き替え工事を検討する
サビにより穴があいていたり、雨漏りしたりしているなら塗装以外のメンテナンスが必要な場合があります。
・屋根カバー工法
・葺き替え工法
それぞれのメンテナンス方法を詳しく解説します。
カバー工法は既存の屋根材の上から新しい屋根を重ねる方法です。
解体作業や廃材の処理が不要で、コストを削減できる特徴があります。
ただし、カバー工法では屋根の腐食や劣化している箇所を補修するわけではありません。
下地まで劣化している可能性があるなら、次に紹介する葺き替え工法がおすすめです。
葺き替え工法は既存の屋根材を撤去して、屋根を一新する方法です。
下地や防水シートも新しくするため、屋根の寿命を延ばせるところがメリットです。
屋根材の下地まで腐食している、大きな劣化が見られる場合は葺き替え工法を検討してください。
ただし屋根材の撤去が必要のため、カバー工法より費用は高額になり、工期も長くなる傾向にあります。
屋根のサビ修理業者を選ぶときは、下記のポイントをチェックしておくことが大切です。
・豊富な実績がある
・資格所有者が在籍している
・地域に密着している
・口コミ評判がよい
それぞれ解説するため、業者選びに悩んでいる方は参考にしてください。
実績豊富な業者なら安心して工事を任せられます。
施工数の多さはお客様が満足している証拠です。
あらゆる工事に対応してきたこともわかるため、希望に沿った工事ができます。
業者を選ぶときには、工事内容や費用とともに実績を確認しておくことがおすすめです。
塗装やさん（運営：植田板金店）は屋根工事、外壁工事などの外装リフォーム施工実績が岡山県でNo.1を誇ります。
年間施工実績は3,000棟以上にのぼるため、安心してお任せください。
資格所有者は知識と経験があるため、業者を選ぶときには断定基準のひとつにできます。
塗装やさん（運営：植田板金店）では下記の資格所有者が在籍中です。
・一級建築施工管理技士
・一級建築板金技能士
・二級建築士
・建築板金基幹技能者
知識と経験が豊富にある職人がいる業者なら、初めての屋根工事でも安心です。
地域密着の業者は住宅に適した工事内容を提案でき、施工不良のリスクが低くなります。
住んでいるところと同じ地域なら、万が一のトラブルにも早急に対応してくれる可能性もあります。
塗装やさん（運営：植田板金店）は、地元岡山でおよそ50年営業している地域密着型の業者です。
地元の方々に支えられてきた安心感から、信頼して工事をお任せください。
口コミは実際に工事を行った方のリアルな意見です。
よいことも悪いことも把握できるため、業者選びの参考にできます。
いくら費用が安くすむ業者であったとしても、評判の悪いところだと信頼性に欠けてしまいます。
契約前には口コミ評判を調べておくのがおすすめです。
実際に屋根のサビ修理を行った事例を紹介します。
普段、目にできない屋根部分の状態を確認すると、想像以上に劣化しているケースもあります。
長くメンテナンスをしていない方や、サビ修理がどのように行われるのか知りたい方はぜひ参考にしてください。
施工前、屋根の表面はコケの付着や退色などの劣化がみられました。
TVアンテナの鉄部にはサビがあり、汁が屋根上に垂れています。
今回は屋根と外壁の塗装を実施し、美しい外観へよみがえりました。
塗料には耐候性と耐久性の高い「エスケープレミアムシリコン」を使用しています。
防カビ・防藻性にも優れ、屋根が長持ちします。
屋根上にあったTVアンテナは壁付けに取り替え、強風の影響を受けにくいように施工しました。
濃い色の屋根とツートンの外壁が印象的な住宅に仕上がっています。
施工前、全体的に屋根の板金部分はサビがまわっていて、スレート瓦にはサビのほかにもコケや藻などがみられました。
壁や軒天井はひび割れがあり、雨漏りにつながるおそれがある状態です。
劣化が進んでいたことから、屋根と外壁の塗装を行いました。
施工後は住宅の印象はそのままに、白い外壁と深めの黒い屋根で美観がよみがえりました。
屋根に発生したサビの補修は信頼できる業者に依頼しよう
屋根に生じたサビの補修には専門知識や専用の工具が必要となるので、必ず業者に依頼しましょう。
小規模だからと放置したり節約のためにDIYで補修したりするのは、安全面や品質面の観点からおすすめしません。
サビを防ぎ屋根材を長持ちさせるためには、定期的な点検と適切な補修が重要です。
屋根の工事は作業の様子が伺いづらく工程が適切かどうかを判断しづらいので、信頼できる業者を選ぶことをおすすめします。
価格の安さだけを重視せず、実績数や資格を取得したスタッフの在籍数などにも意識を向けて業者を選びましょう。
