「ベランダの塗装は本当に必要？」
「ベランダを塗装する際、何に気をつければ良い？」
このように、ベランダの塗装について悩んでいませんか？
ベランダの塗装は外壁と比べると、必要性や緊急性を感じることが少ないかもしれません。
ベランダ塗装についての知識があれば、安心して塗装やメンテナンスを進められます。
本記事では、ベランダの塗装の必要性や工程、塗装時に注意すべきポイントについて紹介します。
ベランダ塗装について疑問を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ベランダ塗装で知っておきたい概要について説明します。
・ベランダ塗装の必要性
・ベランダ塗装の種類
・ベランダ塗装で使用する塗料の種類
・塗料選びのポイント
どれもベランダ塗装で知っておきたいポイントです。
ベランダは常に、太陽からの紫外線や雨風など外部からの影響を受けています。
経年劣化も激しい場所なので、ベランダ塗装は必須です。
見た目だけの問題ではなく、下記の理由からとても重要なことです。
・防水効果の維持
・耐候性、耐久性の向上
・美観の保持
・安全性の確保
これらの理由から、定期的な塗装やメンテナンスは欠かせません。
ベランダの寿命や美観を維持するために必要不可欠です。
定期的に正しく塗装することで「長期的なメンテナンス費用の削減」と「美観の向上」と「不動産価値の維持」につながります。
ベランダ塗装には、ベランダの壁部分の塗装と床部分の防水塗装があります。
どのような施工を行うのか見ていきましょう。
壁部分の塗装は主に壁材の保護と美観の向上が目的です。
紫外線や雨風にさらされるベランダの外壁には、主に紫外線を防止する効果のある塗料を使用します。
一方、床部分の塗装は主に防水性を重視し、水漏れを防ぐために行われます。
ベランダの塗装は見た目を美しく保つだけでなく、構造を守り建物全体の寿命を延ばすためにも重要です。
ベランダ塗装で使用する塗料は、ベランダの壁部分と床部分で異なります。
ベランダの壁部分に使用する塗料の種類は、一般的に下記の4つです。
・ウレタン塗料
・シリコン塗料
・フッ素塗料
・無機塗料
どのような特徴を持つ塗料なのかを説明します。
伸縮性に優れひび割れにも強く、光沢もあります。
壁用の塗料の中では単価相場が最も安い塗料です。
壁への耐用年数は5〜10年なので、メンテナンスに頻度を増やすなどの工夫が求められます。
日本で多く使用されている塗料です。
汚れを防ぎやすく、美しい仕上がりも期待できます。
壁への耐用年数は7〜15年で、コストパフォーマンスにも優れています。
東京スカイツリーなどの施設に使用されている塗料です。
壁への耐用年数は12〜20年と、外壁塗装で使用する塗料の中でも長持ちします。
単価は他の塗料より上がりますが、メンテナンスの頻度を減らせます。
無機塗料は、耐久性や防水性などの特長を持つ塗料です。
壁への耐用年数は18〜20年で、長期間塗り直しが不要です。
そのため初期費用は高くなるものの、施工費や諸経費が少なくて済みます。
ベランダ防水は、ベランダなどの水漏れ対策で広く採用される一般的な方法です。
ベランダの床部分の防水塗装は、一般的に下記の5つです。
・ウレタン防水
・FRP防水
・シート防水
・アスファルト防水
・シリコン防水
複雑な形状の場所でも適用可能な方法もあるので、紹介します。
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布し、硬化させて防水層を形成する工法です。
複雑な形状や凹凸のある場所でも適用可能で紫外線や温度変化にも強く、伸縮性や柔軟性もあります。
単価相場も安く、耐用年数は10〜13年です。
他の工法より耐久性が低く経年劣化もしやすいため、メンテナンス頻度を増やす必要があります。
FRP防水は、繊維強化プラスチック（FRP）を用いた防水工法です。
ガラス繊維などの補強材に樹脂を含浸させて硬化させることで、耐久性の高い防水層を形成します。
耐摩耗性が高いのも特徴で、複雑な形状のベランダにも対応可能です。
硬化速度も速いため、ウレタン防水より短期間で施工できます。
耐用年数は10〜25年で耐久性が高くなるものの、費用も高額になります。
伸縮性は低めで広範囲への施工はひび割れが懸念されるため、小さめのベランダでの施工がおすすめです。
シート防水は、シートを床面に敷き詰める防水工法です。
使用するシートには、以下の2種類があります。
・塩ビシート防水（耐用年数：10〜20年）
・ゴムシート防水（耐用年数：10〜15年）
ベランダ防水では、塩ビシート防水が採用されるケースが多いです。
複雑なので技術が必要ですが、高い防水効果に費用対効果も期待できます。
凹凸のある場所やベランダの形状によっては不向きで、平らな床面に適した工法です。
アスファルト防水は、熱で溶かしたアスファルトとアスファルトシートを組み合わせる工法です。
層を重ねることで耐久性や防水性を高められ、マンションやビルなどの大型物件で用いられています。
アスファルトを溶かす過程で臭いが出てしまう点や専門的な施工技術が必要な点がデメリットです。
シリコン防水は、弾性のあるシリコンを含む防水材を塗布することで防水層を形成する工法です。
高い耐久性や紫外線やひび割れにも強いのが特徴です。
専門性の高い施工技術が求められ、コストが高くつく場合もあります。
ベランダ塗装において、重要な塗料選びのポイントを以下にまとめます。
・性能(耐候性、防水性、耐久性)
・価格
・色とテクスチャ
ベランダの外壁部分は日光、雨、風など厳しい外部環境に晒されるため、耐候性の高い塗料を選ぶことが必要です。
価格が多少高くても性能の良い塗料を選ぶことでコストを削減し、塗装の寿命を延ばすことができます。
床部分の防水塗装に関しても塗料によって性能が異なるため、費用や耐水性などを比較し、適切な塗料の選択が不可欠です。
ベランダの塗装費用は、下記の要素によって大きく異なります。
・塗料の価格
・ベランダの面積
・諸経費や人件費
ベランダの塗装費用は塗料の価格だけではなく、塗装面積や諸経費などによって大きく変動します。
特に塗料に関しては、価格だけではなく性能や耐用年数も異なるので、必ずしも安いほうがコスパも良いというわけではありません。
ベランダの塗装を検討する際に考慮すべきポイントの1つは、ベランダに塗装が必要な劣化症状があるかどうかです。
よくある劣化症状は下記のようなものです。
・色あせ
・剥がれやひび割れ
・雨水の浸入
・防水層の膨れ
・カビや藻の発生
・水はけ機能の低下
・水たまり
・雨漏り
これらの劣化症状がベランダに見られる場合は、塗装の保護効果が低下している可能性があります。
特に水はけの悪さや雨水の浸入など、防水塗装の劣化はベランダの構造や建物自体に悪影響を与える恐れがあるため、早めの塗装やメンテナンスを検討しましょう。
紫外線によって塗料が劣化し、塗装した部分の発色が薄くなったり変色したりする症状です。
トップコートが劣化している際にも、色あせが見られます。
土ぼこりや鳥フン、廃棄ガスなどの汚れによっても色あせは起こります。
塗装による保護機能が低下している可能性があるため、美観の問題だけだからと放置するのはおすすめできません。
外壁や床の塗装・下地が紫外線などによって劣化して起こる症状です。
剥がれた箇所やひび割れた隙間から雨水が浸入すると、膨れの原因にもなります。
トップコートが劣化しているなら塗り替えるだけで対応できますが、防水層に達していると補修が必要です。
剥がれやひび割れが起きたベランダの外壁内に雨水が浸入するケースも、少なくありません。
膨れや外壁内部の腐食などにつながります。
外壁や床の塗装内部に水や空気が溜まって、膨らんだり浮いたりする症状です。
以下の場合に見られます。
・ひび割れた外壁の隙間から雨水が浸入した
・外壁や床の素材が経年劣化した
・過去の施工不良が再発した
防水層で膨れや浮きが発生し、破損すると、雨漏りの原因にもなります。
カビや藻、コケは湿度の高い場所や風通しの悪い部分に発生します。
カビなどが発生しているベランダは、防水性が劣化しているとも判断できます。
ベランダの見た目やカビなどによる健康被害が懸念されるため、看過できない状態です。
水はけ機能が低下している状態として、以下の原因が挙げられます。
・防水塗装が劣化している
・排水溝に落ち葉や砂が溜まっている
・ベランダに置いてある物が多い
雨漏りにつながる場合もあるため、この時点で対応しておきたい症状です。
排水溝に水が流れにくくなって、ベランダの床に水たまりができている状態です。
水はけ機能がさらに低下した際にも、起こることがあります。
雨水が流れるようにベランダの床は適度に傾いているため、水たまりができているのは床に不具合が起きている状態です。
水たまりができている状態が長期に渡ると、床が腐食する場合があります。
ベランダの防水塗装が大きく劣化していると、雨漏りにつながります。
剥がれやひび割れなどの劣化症状が進んで、室内での生活にも不具合が発生します。
ベランダの構造や建物自体に悪影響を与える恐れがあるため、緊急事態になる前に専門業者へ相談しましょう。
ベランダの塗装時に考慮すべきポイントとして、以下の2つも挙げられます。
・塗料の耐用年数に近づいているか
・下地処理を行っているか
1つずつ確認しておきましょう。
ベランダの塗装を検討する際に重要なポイントの1つに、使用されている塗料の耐用年数があります。
外壁部分の塗料は種類によって耐用年数は異なります。
・シリコン塗料：7〜15年
・フッ素塗料：12〜20年
・無機塗料：18〜20年
この期間を過ぎると塗料の劣化が進行し、塗膜が剥がれたり、色あせたりする可能性が高まります。
ベランダの床部分は、トップコートを3～5年ごとに塗り直し、防水塗装は通常10～15年ごとにメンテナンスを行うことが一般的です。
塗装では下地処理が必要です。
下地処理とは、表面の清掃や古い塗膜の除去、補修作業のことです。
下地を整えることで塗装の仕上がりが滑らかになり、塗料の耐用年数が延びることが期待できます。
丁寧に下地処理を行うことで、将来的な補修や塗り直しの頻度を減らすことができます。
これにより、長期的にメンテナンスコストを削減することが可能です。
業者が作業する場合は原則、下地処理を行います。
ただし手抜き業者・悪徳業者の場合は下地処理を飛ばす恐れもあるため、下地処理を行っているかどうかチェックしておきましょう。
ベランダ塗装後の適切なメンテナンスは、美しい外観を長く維持し、将来的な大規模な修理や塗り直しのコストを削減するために不可欠です。
一般的なメンテナンス方法は下記の2つです。
・定期的な清掃
・塗装面や水はけの点検
塗装が新しい状態を長く保つために、これらのケアとメンテナンスのポイントを定期的に実行する必要があります。
自分でも実施できるメンテナンス方法なので、知っておくようにしましょう。
ベランダの汚れやほこりの除去など、定期的な清掃は欠かせません。
ベランダの表面に蓄積した汚れやほこりは、塗膜を徐々に劣化させるため、定期的に柔らかいブラシや布を使用して水で優しく清掃しましょう。
コケや汚れがひどく落ちにくいときは、ゴシゴシこするのではなく専用の洗剤を使用すると落ちやすくなります。
強い洗剤や硬いブラシは塗膜を傷つける原因となるため避けましょう。
塗装面や水はけの点検を定期的に行うことが大切です。
小さなひび割れや塗膜の剥がれは、水分の浸入やさらなる損傷の原因となります。
定期的にベランダの塗装面を点検し、このような問題を早期に発見したら、迅速に補修しましょう。
また排水に問題がないか、確認することも欠かせないメンテナンスの1つです。
ベランダの水はけが悪いと水溜りができ、塗装面に長期間水が触れ続けることになります。
その場合、塗膜の劣化を早める原因となるため、水はけが悪いときは必要に応じて清掃をすることが大切です。
ベランダの塗装を安全に進めるために知っておきたいポイントを紹介します。
・業者によって専門分野が異なる場合がある
・ベランダ塗装の実績がある業者を探す
・見積もりや記載内容を確認する
・悪徳な業者を避け、慎重に業者を選ぶ
外壁塗装と防水塗装はそれぞれ異なる専門知識や技術が必要なので、希望する施工を専門とする職人がいるかどうかを確認しましょう。
ホームページなどで施工実績が公開されている業者や口コミ・評価の高い業者は、適切な塗装ができる実績や経験があると判断できます。
アフターフォローや長期的な保障が得られる業者もおすすめです。
詳細がわからない見積もりは追加費用が発生するリスクがあるため、不明点は詳しく説明してもらいましょう。
不明点を解消できない業者との契約は避けるのが望ましいです。
先述したポイントを慎重に確認して、信頼性の高い業者にベランダの塗装を依頼しましょう。
ベランダの塗装を素人で行うことはおすすめしません。
以下の4点が、理由として挙げられます。
・専門的な知識や技術が求められる
・塗装が完了するまで時間を要する
・ベランダの塗装には危険な作業もある
・最終的に費用が高くなるリスクがある
素人がDIYすることで、損傷する可能性もあるのでDIYは決しておすすめできません。
素人でも比較的DIYで対応しやすいのは、トップコートの塗り直しまでです。
ベランダ用のトップコートは、一般的に入手できるからです。
ただし、トップコートにひび割れや剥がれが少ない場合に限られます。
劣化の症状がひどい場合は、業者に修理やメンテナンスの依頼をしましょう。
特に下地処理は、専門的な知識と技術が必要です。
素人が自分で下地や防水層の対応をしたら、さらなる不具合を引き起こすリスクが大きくなります。
知識や技術が豊富な専門業者の施工は、劣化を直すだけでなく美しい仕上がりも期待できます。
ベランダの塗装は一日だけでは乾燥せず、数日が必要となることがほとんどです。
雨が降ったら、さらに時間が必要となります。
DIYは自分のペースで作業ができるとはいえ、天候に合わせなければ作業はできません。
長期的な休みを取れるなど柔軟に動ける環境でなければ、塗装が完了するまで終わらせるのは難しいです。
ベランダの外壁面の塗装など高所での作業もあるので、危険が伴うことを知っておきたいです。
DIYは自己責任で行うものなので、その後の対応もすべて自分で対応する必要があります。
施工不良や万が一のケガがあっても、保障を受けられません。
再び施工して完了するまでの時間がさらに必要となり、ケガの治療中は長期間にわたって不自由が伴います。
ベランダのDIYは、メリットよりもデメリットが上回ります。
DIYを失敗して業者に依頼した場合、トータルで以下の費用が必要です。
・DIYの道具や塗料の費用
・ケガをした場合の治療費
・業者に依頼する再施工費
安く済むと思っていたのが、最終的にはかえって費用が高くなります。
DIYを失敗したことで再び施工する範囲が拡大し、さらに高額な費用を請求されるケースも見られます。
費用を抑えつつ安全に確実に塗装するには、自分で対応せず専門業者に相談するのがおすすめです。
ベランダの塗装費用を抑える方法が、他にもあります。
・劣化が大きくなる前に対応する
・助成金や補助金を活用する
・同時に他のメンテナンスをする
専門業者に依頼するタイミングなど、詳しく説明します。
劣化が大きくなると、塗装面積や費用も増えます。
劣化が小さいうちに補修すると必要な塗料の量を抑えられます。
修理範囲も小さいうちであれば、費用を抑えることが可能です。
定期的に点検をするのがおすすめです。
自治体によっては、外壁塗装や防水塗装で住宅のリフォームに関する助成金や補助金を活用できる場合があります。
助成金や補助金の対象であれば、費用を抑えることが期待できます。
詳しくは、お住いの自治体のホームページで調べてみましょう。
助成金や補助金を活用する際には、業者へ見積もりを取る段階で伝える必要があります。
点検や見積もり、施工などの費用は、依頼をするたびにかかります。
しかし外壁塗装など他のメンテナンスも同時に依頼すると、一部の費用を抑えることができます。
メンテナンスを依頼するタイミングも、費用を抑えるポイントです。
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