FRP防水とは防水工事に使われる工法です。
ポリエステルとガラスマットを組み合わせた素材を用いて、住宅のベランダやバルコニーに使われています。
防水性能が高く、耐久性の高さから住宅だけでなくプールなどにも使われている工法です。
当記事ではFRP防水の特徴やメンテナンス方法について解説しています。
FRP防水について知りたい方はぜひ最後までお読みください。
FRP防水とは、液状の樹脂とガラス繊維などの補強材を組み合わせて一体化した塗膜で防水を行う工法です。
FRPは繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)の略で、丈夫で耐水性が高い素材として知られています。
FRP防水の特徴は継ぎ目がなく、一枚の膜のように仕上がるところです。
水が浸入する隙間が少ないので、防水性能が非常に高いです。
浴槽やトイレの便座など、私たちが普段使っている身近な製品にもこのFRPが使われています。
FRP防水はその防水性能の高さから住宅の屋根やベランダ、バルコニーだけでなく、屋上駐車場やプールなどさまざまな場所で高いも利用されています。
トップコートと呼ばれる表面の保護層の寿命は5～10年といわれており、定期的なメンテナンスが必要です。
また、FRP防水全体の寿命は、およそ10～20年と言われています。
FRP防水にはどのようなメリットがあるのでしょうか？
・防水性が高い
・耐久性が高い
・工期が短くできる
以上のようなFRP防水のメリットについて解説していきます。
FRP防水は防水性能が高い工法です。
FRPは繊維強化プラスチックのことです。
この強化されたプラスチックが表面の防水性能を高めてくれます。
また、液体の樹脂とガラス繊維を一体化させるため、仕上がりには継ぎ目ができません。
水が浸入しやすい継ぎ目をなくせるので、高い防水性能を期待できます。
FRPにはガラス繊維が補強材として含まれているため、丈夫で高寿命なのが特徴です。
防水層の劣化の原因になる風雨に対する耐性が高く、長期間性能が維持できます。
また、紫外線にも強いので表面の防水層が劣化しにくいのも特徴です。
FRP防水は樹脂の硬化時間が短いです。
硬化に時間がかからないということは、工期を短くできるということです。
工期が短ければ短いほど、現場作業は少なくて済みます。
防水工事は屋根のない箇所だと、雨天時は工事ができなくなります。
工期が短く済み、早く終えられるのはFRP防水のメリットです。
FRP防水にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
・初期費用が高い
・施工場所を選ぶ
・定期的なメンテナンスが必要
以上のようなデメリットの内容について一つ一つ見ていきましょう。
FRP防水は材料費や施工費が高額になるため、他の防水工法と比較して初期投資額が大きくなります。
施工面積が小さな場合は価格差も小さいですが、施工が広範囲にわたる場合の費用はさらに高額になります。
工事に使える予算を検討してから、業者に見積もり依頼をしましょう。
FRP防水は伸縮性が低い素材のため、建物が収縮したり変形したりする場所には不向きです。
地震が頻発する地域などでは建物の小刻みな動きに追従できず、ひび割れが発生してしまう可能性が高くなります。
下地の状態によっては、FRP防水が適さない場合もあります。
高い防水性能を維持するためにも、定期的な点検やメンテナンスは欠かせません。
FRP防水は5～10年に一度程度の定期的なメンテナンスが必要です。
防水工事は風雨や太陽光からの紫外線の影響を受けて、時間をかけて劣化していきます。
メンテナンスを怠ってトップコートのひび割れや剥がれを放置すると、防水性能が低下してしまいます。
状況によっては漏水が発生するかもしれません。
日常的な目視点検と、業者による定期的なメンテナンスを行いましょう。
メンテナンス費用が必要となるため、長期的なコストの考慮も必要です。
FRP防水を行った後、経年による劣化が起こるのでメンテナンスが必要です。
・トップコートの塗り替え
・部分補修
・全体を再施工する
以上のメンテナンス方法の内容について紹介していきます。
トップコートはFRP防水層の表面に塗料を用いて作る保護層のことです。
このトップコートは風雨や太陽光からの紫外線によって劣化していきます。
5～10年を目安にメンテナンスを行いましょう。
メンテナンス方法として、既存のトップコートを研磨して新しいトップコートを塗布していきます。
FRP防水は年数が経過すると、ひび割れや剥がれが生じます。
これらを補修するために損傷している部分を切り取って、新しいFRP樹脂とガラスマットで補修していきます。
劣化症状にもよるので、何年に一度のメンテナンスが必要になるかは一概には言えません。
定期的に目視で異常が発生していないかを確認しておきましょう。
防水工事をした面が全体的に劣化してきたら、再施工を検討しましょう。
工事直後から年数の経過とともに、防水性能が徐々に下がっていきます。
定期的に部分補修を行っていても、補修していない箇所は少しずつ劣化しています。
年数だけでは判断できず、建物の構造や使用状況、気候条件などの要因によって劣化のスピードは変わってきます。
防水性能が下がったら再施工して、性能を維持しましょう。
FRP防水はどのような工程で施工されていくのか解説していきます。
・下地処理を行う
・下塗り材を塗る
・ポリエステル樹脂を塗る
・ガラスマットを敷いていく
・トップコートを塗る
FRP防水の工程を知って、どのような工事をする必要があるのか理解しておきましょう。
まずは現状の下地の処理を行います。
下地の状態が仕上がりに大きな影響を与えるため、重要な行程です。
既存の防水層の汚れをなくすために、丁寧な清掃を行います。
ひび割れやクラックがあれば補修していきます。
次に下塗り材を塗布していきます。
下塗り材は接着剤の代わりです。
下地と防水層の密着性を高める役割を持っています。
下塗り材を塗ったら継ぎ目になる部分にはコーキングを充填して、水の浸入を防ぎます。
ポリエステル樹脂を、ローラーを使って塗っていきます。
前の工程で塗布した下塗り材によってポリエステル樹脂は密着していきます。
ポリエステル樹脂を塗ったら、ガラスマットを貼り付けていきます。
施工時には、内側にある気泡を除去することが必要です。
そうすることで、防水性能が高まります。
またガラスマットには小さな凹凸ができやすいので、ポリッシャーやディスクサンダー等で表面を滑らかに仕上げていきます。
最後にトップコートを塗布して乾燥させることで、防水層が形成されて完成です。
トップコートはFRP防水の一番外側の部分の塗装された膜になります。
トップコートの仕上がりは防水性能に大きく影響するので重要な行程です。
トップコートは一番外側の防水層のため、雨水の影響を受けやすい箇所です。
今後のメンテナンス時にも定期的に塗り替えていく必要があります。
FRP防水は防水性能が高く、高い効果が期待できます。
耐久性も高く、長期間使用できる防水方法です。
バルコニーやベランダの防水を検討している方はぜひ、FRP防水を検討してみてください。
ただし、FRP防水は性能も高いですが価格も高いです。
FRP防水を行う際は、業者に相談してみましょう。
本記事でご紹介したメリットとデメリットを確認して、十分に検討してFRP防水工事を行いましょう。
