ウレタン防水のトップコートにひび割れを発見し、塗り替えるべきか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
トップコートの役割や必要性を知らなければ、適切な判断は難しくなります。
本記事では、ウレタン防水のトップコートを塗り替える目的、塗り替えの目安となる劣化症状について解説します。
トップコートを塗り替えるべきか悩んでいる方の参考になる内容です。
ぜひ最後までご覧ください。
ウレタン防水とは、液状にしたウレタン樹脂を使用して塗膜防水層を形成する方法です。
トップコートは、防水層を保護するために塗装します。
防水層は紫外線や雨風の影響を受け、ダメージを負いやすいからです。
特にウレタン防水は紫外線に弱い性質をもちます。
ダメージを負うと防水機能が落ち雨漏りなどにつながるため、トップコートで保護する必要があります。
なおトップコートは保護が目的のため、防水機能はありません。
トップコートについて種類や価格、耐用年数などを紹介します。
ウレタン防水のトップコートには、主にアクリルウレタン系、フッ素系があります。
一般的に用いられるのがアクリルウレタン系です。
主成分はアクリルウレタン樹脂で、施工が簡単でコストパフォーマンスがよいメリットがあります。
製品によっては遮熱効果のあるものもあります。
フッ素系は耐候性が高く、しっかりと防水層を保護してくれる製品です。
トップコートの種類によって、価格や耐用年数は異なります。
アクリルウレタン系は耐用年数が3～5年と短いですが、コストが抑えられる点がメリットです。
フッ素系を選んだ場合は10年と耐用年数が長くなりますが、その分価格が高くなります。
一般家庭よりも商業施設などで使用されることが多いトップコートです。
しかし耐用年数が長いと塗り直しの回数を減らせるため、長期的に見るとコストパフォーマンスがよい場合もあります。
長期的に考えて判断するとよいでしょう。
なお紫外線の影響を受けやすい場所、摩擦が起こりやすい場所では、耐用年数より早く劣化する場合もあります。
耐用年数はあくまで目安として考えましょう。
トップコートの塗り替えは、以下の目的のために行われます。
・防水層を長持ちさせる
・遮熱効果を高める
・摩耗から保護する
・汚れの付着を防ぐ
・滑り止め効果を高める
それぞれ詳しく解説します。
トップコートは防水層を長持ちさせるために塗布します。
トップコートが劣化したままだと、防水層の劣化も早まってしまうからです。
防水層が劣化すれば改めて防水工事をし直す必要があり、その分費用もかかります。
こまめにトップコートのメンテナンスを行えば、防水層が長持ちするため、トータルコストを抑えられます。
遮熱効果をもつトップコートには、太陽光の熱を伝わりにくくする効果が期待できます。
熱が伝わりにくくなれば室温も上がりにくくなり、夏場は冷暖房費の節約につながるでしょう。
性能はトップコートによって異なるため、遮熱効果をもつものか注意して選ぶのがおすすめです。
戸外は紫外線の影響を受けやすく、人が歩く場所では物理的な摩耗による劣化も免れません。
ウレタン防水は紫外線に弱いため、屋上やベランダなど紫外線をたくさん浴びる場所は特に劣化が早い傾向があります。
トップコートを塗ると、紫外線だけでなく摩耗からも防水層を守れます。
ウレタン防水層には粘着性があり、ゴミやほこりが付着しやすい性質があります。
一度付着すると、なかなかきれいに取り除けません。
特にベランダ・バルコニーはゴミが溜まりやすい場所です。
トップコートを塗ることでウレタン防水の粘着性がなくなり、ゴミやほこり、汚れが付着しにくくなります。
ウレタン防水を施工すると表面がツルツルします。
特に雨で濡れると滑りやすく、転んでケガをする危険性もあり注意が必要です。
チップ入りのトップコートを塗ると、滑り止めの役割も果たせます。
屋上や階段など、人が歩く場所でウレタン防水を施工する場合は、滑り止めも兼ねたトップコートがおすすめです。
トップコートが劣化すると、以下のような症状が見られます。
・色あせ、チョーキング現象
・ひび割れ、はがれ、浮き
・カビ、コケ、雑草
・摩耗
劣化症状は塗り替えの目安になるため、こまめにチェックしましょう。
紫外線や雨風にさらされ続けると、徐々に色があせてきます。
また、防水面に触れると指先が白くなるのをチョーキング現象と呼びます。
白い粉は古い塗膜が粉状になったもので、劣化の初期症状です。
防水層は、温度の変化に合わせて膨張と収縮を繰り返しています。
トップコートが紫外線の影響で硬化すると、防水層の動きについていけずにひび割れが起こってしまいます。
細かなひび割れが起きていれば、業者に相談するとよいでしょう。
またトップコートは時間が経つにつれて防水層との粘着力が弱まり、はがれや浮きが見られます。
トップコートがはがれると防水層が露出していることになるため、場合によっては防水工事が必要になる可能性もあります。
早めにトップコートの塗り替えを検討しましょう。
日光が当たりにくい場所、雨水が溜まりやすい場所は、カビやコケが生えやすい環境です。
外観を損ねるだけでなく、コケが生えた場所は滑りやすく転倒の危険があります。
また雑草などは防水層にまで根を張る場合があり、そこから浸水する可能性もあります。
雑草をみつけたらむやみに抜いてしまわず、業者に相談するのが安心です。
ベランダ・バルコニー・屋上など、人が歩く場所のトップコートは摩耗による劣化もあります。
色が変わったり、黒ずんだりしてきた場合は塗り替えの合図です。
トップコートが剥げ、防水層まで傷む前に塗り替えましょう。
ウレタン防水のトップコートを長持ちさせるには、以下のようなコツがあります。
・排水溝をこまめに掃除する
・定期的に点検を行う
日常的なメンテナンスの参考にしてください。
排水溝に葉っぱやゴミが詰まり、流れが悪くなると、雨水が流れずトップコートの上に長く留まることになります。
雨水や汚れが表面に留まり続けると、トップコートの劣化が早くなります。
トップコートを長持ちさせるためにも、排水溝をこまめに掃除しましょう。
トップコートの劣化症状に早く気がつけば、それだけ早く補修ができます。
劣化が進むほど補修工事は大掛かりなものになり、費用も高額になります。
定期的に点検を行い、早い段階での対処がおすすめです。
こまめにメンテナンスを行えば、トップコートだけでなく防水層の耐用年数も伸ばせます。
ウレタン防水のトップコート塗り替えを依頼する業者の選び方
トップコートの塗り替えは、防水層の状態を把握した上での適切な判断が求められます。
万が一劣化がトップコートだけでなく防水層まで進んでいた場合、防水工事が必要になります。
防水に関する知識や、施工経験のある業者を選びましょう。
業者のホームページなどを確認して、トップコートの塗り替え事例があるかを確認してください。
トップコートを塗り替えてウレタン防水を長持ちさせよう
劣化の症状が見られてから業者に依頼するまで時間が空くと、それだけ症状が進んでしまいます。
防水層まで劣化している場合、防水性を回復させるために根本的な防水工事が必要になります。
トップコートに劣化症状が見られたら、早めに業者へ連絡しましょう。
