「外壁塗装でもクーリングオフってできる？」「クーリングオフが適用される場合と適用されない場合について教えてほしい」
外壁塗装を検討されている方のなかには、このような疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
クーリングオフとは、契約トラブルから消費者を守るための制度のことです。
クーリングオフについて知っておくことで、外壁塗装でトラブルが起きたとしても、損をすることなく対処ができます。
本記事ではクーリングオフが適用されるケースや適用されないケース、手続きの流れ、クーリングオフ対象事例について紹介します。
クーリングオフとは、契約に関するトラブルから消費者を守るための措置制度のことです。
契約を無条件で解約できるため、消費者優位の制度になります。
しかし、クーリングオフはすべての契約トラブルで適用されるわけではありません。
適用されるケースと適用されないケースは明確に定められているため、クーリングオフの利用を考えている方は事前に把握しておく必要があります。
本記事では、クーリングオフが適用されるケースと適用されないケースの2パターンを紹介します。
クーリングオフが適用されるケースは以下のとおりです。
・契約書を受け取ってから8日以内
・業者が突然訪問してきた
・個人が法人と契約している
契約書を受け取ってから8日以内であればクーリングオフを適用可能です。
たとえば月曜日に契約をした場合、翌週の月曜日が期限のことを指します。
火曜日になってしまうと、クーリングオフは適用しないため、日数の考え方については事前に確認しておきましょう。
ただし、下記の場合は8日を過ぎてもクーリングオフを適用できる可能性があります。
・契約書を受け取っていない
・契約書にクーリングオフについての明記がない
・業者から虚偽や脅しによってクーリングオフを妨害された
条件に当てはまるかどうかチェックしてみましょう。
クーリングオフが適用されないケースは以下のとおりです。
・正規の契約書で契約してから8日を過ぎている
・業者を自らの意思で呼び寄せたり、こちらから事務所に出向いて契約を行ったりした
・取引額が3,000円未満である
・過去1年以内に取引実績のある業者である
・日本以外で契約を行った
・国や地方公共団体との契約
たとえば月曜日に契約した場合、翌週の火曜日になるとクーリングオフ適用期間外になるということです。
クーリングオフを適用する場合は期間を厳守する必要があります。
外壁塗装のクーリングオフの流れは以下のとおりです。
・書類を揃える
・書類を作成して送信または郵送
・業者に連絡を入れる
1つずつ紹介します。
クーリングオフに必要な書類は、以下のとおりです。
・契約書の控え
・契約先の業者に関する書類
・請求書
・見積書
クーリングオフするには、契約に関する書類一式が必要になります。
請求書や見積書なども必要になるため、控えを貰っておきましょう。
次に、クーリングオフの通知書を作成しましょう。
通知書に記載する必要がある事項は以下のとおりです。
・タイトル
・契約書受取日の日時
・契約会社名、担当者名
・工事名称
・契約金額
・クーリングオフの意思表明
・自身の住所
クーリングオフの通知書は、業者に受け取っていないと主張させないために内容証明郵便にて送付しましょう。
内容証明郵便は、お近くの郵便局にて手続き可能です。
内容証明郵便とともにメールでも同様の内容を送信しておくことで、確実に業者の目に入り、無視できなくなります。
最後に、業者にクーリングオフの通知書の送付と返金、原状回復の依頼の連絡を入れましょう。
悪徳業者のなかには、連絡に応答しない場合もあります。
何度も連絡を入れても応答しない場合は、消費者センターや国民生活センターなどの関係機関に相談するのも1つの方法です。
公的機関に相談すれば適切なアドバイスを受けられる可能性が高いため、おすすめです。
外壁塗装のクーリングオフ対象事例について下記の順序にて紹介します。
・指定していた外壁色と別色で塗装されていた
・訪問販売で不要な工事を契約してしまった
・点検商法の被害に遭った
1つずつ見ていきましょう。
工事着工後にあるトラブルの1つに「指定した色と異なるカラーで塗装された。塗り直しを指示したが拒否された」という事例があります。
一般的な業者であれば、施主の指示と異なる色を塗装していれば塗り直しに応じてくれることが普通です。
しかし悪徳業者の場合、契約後に不誠実な対応をされることがあります。
訪問営業によるトラブルも、クーリングオフによくある事例です。
・訪問販売に遭い、家族が不要な工事契約を結んでしまった
・提示された見積額と実際の請求額が大きく異なっていた
・大幅な割引を提案されたが、あらためて考えた結果契約をやめたい
このような訪問営業によるトラブルは、クーリングオフが適用される場合があります。
まずは消費生活センターなど公的機関に連絡し、クーリングオフの対象となるかどうか確認してみましょう。
外壁塗装だけではなく、点検商法によるトラブルは様々な方面で起こりえます。
点検商法とは、「近所に来たから」「屋根の不具合をたまたま見つけたから」と偶然を装い、契約を促す営業方法のことです。
「大きな不具合を見つけた」
「すぐに修理しないと大変なことになる」
いきなり訪問してきた挙げ句、無料チェックを依頼すると上記のように危機感を煽り、その場で修理の契約を迫ろうとするやり方です。
その結果、見積額と請求額が大幅に異なり、冷静に考えた結果「やはり依頼を辞めたい」となるケースが国民生活センターなどに寄せられています。
このような場合も、クーリングオフを適用できないか消費生活センターに相談してみましょう。
クーリングオフが適用できるか迷ったら関係機関に相談しよう
悪質な業者の場合、クーリングオフの連絡に応答しない場合があります。
クーリングオフは業者の応答があり、適切な対応をしてくれることで、成り立ちます。
そのため、業者からの応答がない場合にはクーリングオフは成立しません。
それでは、多くの消費者が泣き寝入りすることになってしまいます。
そういった状況を防ぐ方法として、消費者センターや国民生活センターなどの関係機関に相談する方法があります。
関係機関に相談した際、クーリングオフに関するトラブル処理を行ってくれるでしょう。
ただし「関連機関に相談すれば必ず問題がスッキリと解決する」とは限りません。
不愉快な思いをしないためにも、外壁塗装を提案されてもその場で契約を即決しないことが大切です。
納得いかない外壁塗装の契約はクーリングオフできる可能性がある
悪質な外壁塗装業者と契約してしまうと、想定していなかったトラブルが発生することがあります。
トラブルのなかには、理不尽かつ大きく損をしてしまうケースも少なくありません。
そういった場合には、本記事で紹介したクーリングオフ制度を活用しましょう。
業者の中にはクーリングオフ制度に応じてくれない場合があるので、業者の対応に合わせて消費者センターや国民生活センターの活用を検討しましょう。
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