屋根塗装の色は住宅の外観イメージを決めるのに大きな役割を果たしています。
最近では屋根塗装の色にもさまざまなバリエーションが生まれ、選択肢が広がりました。
しかし、どの色を選べば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では屋根塗装の色を選ぶ際のポイントやおすすめの人気色、避けたほうが良い色、失敗しないためのポイントなどを解説します。
自宅の屋根塗装で色を決めるのに悩んでいる方はぜひ最後まで読んでみてください。
住宅の屋根塗装の色を選ぶ際に注意すべき点を紹介します。
ポイントは以下の4つです。
・汚れや色褪せが目立たない色を選ぶ
・外壁との調和を考える
・面積効果を考える
・周囲の家や街並みと調和する色を選ぶそれぞれ詳しくみていきましょう。
住宅の屋根塗装は汚れや色褪せが起こりやすいため、経年劣化が目立たない色を選ぶと良いでしょう。
黒やグレー系の色のほうが汚れなどは目立ちにくくなります。
赤や黄色などの鮮やかな色は色褪せが起こりやすいため屋根塗装にはあまり向いていません。
また白のように色褪せしにくくても、汚れが目立ちやすい色は不向きといえるでしょう。
汚れと色褪せのどちらにも強い色を選ぶことが大切です。
屋根塗装の色を選ぶ際は、家全体のバランスを考えるのも大切です。
外壁と同じ色調の色を選ぶと良いでしょう。
屋根と外壁でバラバラな色を選ぶと全体的にアンバランスでちぐはぐな印象を与えてしまいます。
何も考えずに好きな色同士を組み合わせると、悪目立ちする家になってしまうかもしれません。
色を決める際は濃淡を外壁と同系統にして、外壁よりも屋根のほうが濃い色にすると引き締まったイメージを与えられます。
逆に屋根が外壁よりも明るいと家全体が軽い印象になってしまうので注意してください。
「面積効果」とは、同じ色でも面積によって見え方が異なる現象を指す用語です。
明るい色は面積が広いほどより鮮やかに、暗い色は面積が広いとより暗く見えます。
色を決める際には、面積効果を考えておかないと思っていたイメージと違ってしまうかもしれません。
屋根塗装の色を選ぶ際には個人の好みだけでなく、自宅がある周辺環境との調和も考慮することが重要です。
地域の景観に配慮し周辺の家々や自然と違和感のない色を選択することで、美しい街並みを維持できます。
特に歴史的な地域や特徴的な風貌を持つ場所では、環境に溶け込む自然な色合いや落ち着いた色が求められる場合が多いです。
一方カラフルで個性的な色使いの屋根が多い地域では、明るい色やユニークな色彩の屋根が調和することもあります。
ただし外観に関する地域規制や自治体のガイドラインが設けられている場合もあるため、塗装工事に先立ち、関連する規制の確認は必須です。
加えて住民間での調和も考慮すべき点です。
近隣住民との関係を大切にして調和の取れた色選びをすることで、トラブルを回避し快適な住環境を実現できます。
屋根塗装の色を決める際は個人の趣味を尊重しつつも、周りの人や環境と共存できる選択を心がけましょう。
屋根塗装の色としておすすめなのは、次の4色です。
・ブラック
・グレー
・ブラウン
・グリーン
それぞれのメリット・デメリットなどを詳しくみていきましょう。
ブラックは寒色、暖色など、どんな色にも合わせやすい万能カラーです。
重厚感やシックな印象を演出でき、住宅のスタイルを問わずに使えるため屋根塗装の色としても人気です。
外壁との間で濃淡のコントラストを生み出しやすく家全体がメリハリのある外観に仕上がります。
ただし遮熱効果が低くて熱を吸収してしまいます。
そのため夏場は室温が上がりやすい、汚れや色褪せなどが目立ちやすいといったデメリットもあるため選ぶ際には注意しましょう。
グレー系は、洗練されたシックな印象を与えられるカラーです。
屋根塗装の色としてはシンプルな部類に入るものの、ブラックほど重さを感じさせないため高い人気の色です。
どんな外壁の色とも合わせやすく、特にホワイトやクリームと合わせると、派手になり過ぎず適度に引き締まった印象を与えられます。
またブラックよりも遮熱効果が高く、汚れが目立ちにくくなっているのもメリットです。
特にライトグレーなら、より高い遮熱効果が期待できます。
ブラウンは屋根色として定番で人気のカラーです。
落ち着いた印象に加えて柔らかさや温かみなど、自然な印象を演出できます。
色々な外壁に合わせやすく目立ちにくい色のため、近隣住宅など周囲の街並みと調和を取りやすいのもメリットです。
汚れが目立ちにくく、特にライトブラウンでは遮熱効果も期待できます。
またダークブラウンならシックな印象、ライトブラウンなら明るい印象、赤茶色ならオリジナリティのある外観など、色味を変えてさまざまな個性を出せるのも特徴です。
屋根色に個性を出したい人におすすめのカラーがグリーンです。
家の外観に欧米風のイメージを演出でき、ナチュラルで落ち着いた印象を与えられます。
周囲に自然が多い場所ほどよくマッチするので、家の近くが緑豊かな環境の場合などは特におすすめです。
ホワイトやベージュの外壁と相性が良く、濃いグリーンはシックな印象、明るいグリーンならかわいいイメージになります。
ただ、色味によっては外観がぼやけた印象になってしまう可能性があるため注意が必要です。
屋根塗装で色選びに迷った際は、暗い色を選ぶことをおすすめします。
暗い色が好まれる主な理由は二つです。
まず暗い色は落ち着いた雰囲気を、家全体に与えることができます。
さらに、汚れや色褪せが目立ちにくいという実用的な側面も魅力です。
人気色のブラックやグレー、ブラウンやグリーンはどれも比較的落ち着いた暗い色でさまざまな町並みに違和感なく馴染みます。
ただし暗い色は多少熱を吸収しやすいため、地域の気候や季節による室内温度への影響も考慮する必要があります。
屋根塗装で避けるべきなのは次のような色です。
・ホワイト
・原色系
おすすめできない理由について詳しくみていきましょう。
白系は汚れが目立ちやすいため、屋根塗装には向かないカラーです。
屋根は風雨や土埃の影響を受けるため、住宅のなかでも汚れが着きやすい部分です。
ホワイトにすると早いうちから外観が悪くなってしまう恐れがあります。
屋根を白系にしてしまうと塗装の頻度が短くなり、余計な費用がかかるかもしれません。
実際に屋根をホワイトにしている家は、近所を見てもまずないはずです。
周囲の景観から浮いてしまうリスクもあるため基本的にはおすすめできません。
赤やブルーなどの鮮やかな原色系のカラーも屋根塗装には不向きです。
海外の家のようで憧れのある方もいるかもしれません。
しかし原色系は色味が強いため経年劣化による色褪せが目立ちやすく、数年経つと鮮やかさが失われて古びた見た目になってしまう場合もあります。
原色系を選ぶと通常の屋根塗装よりも塗り替えの期間が短くなってしまいます。
こまめに手入れをしたり、塗装をし直したりしても良い人以外は避けるべきでしょう。
屋根塗装の色選びで失敗しないためには、次のポイントに注意しましょう。
・普段から気になる配色をチェックしておく
・カラーシミュレーションで仕上がりを確認する
・試し塗りができないか相談してみる
・長期的な視点で色を選ぶ
・住宅のスタイルに合った色を選ぶ
・外壁塗装業者の意見を参考にする
詳しくみていきましょう。
屋根塗装の色を決める際には普段から近隣の住宅などを見て、気になる配色の家をチェックしておきましょう。
配色のバリエーションを知れば、自宅にはどんな屋根色が合っているかもわかってきます。
住宅展示場などにも積極的に足を運び、色々な屋根のカラーサンプルを見て、自分に合ったイメージを固めておきましょう。
カラーシミュレーションで仕上がりをチェックしながら色を決めていくのも有効な方法です。
住宅の写真を使い、パソコンで完成後のイメージ画像を作成できるサービスをカラーシミュレーションといいます。
塗装業者に依頼すれば製作してもらえるため、頭の中のイメージだけでなく、実際に画像を見ながらどのような仕上がりになるのか確認しながら色を決めていきましょう。
色見本やイメージ画像だけでは限界がある場合、実際に外壁などに塗料を塗って見え方を確認してみましょう。
住宅の立地によっては日光の当たり方などで見え方がサンプルと変わってくる場合もあるため、試し塗りをしてみるのは大切です。
試し塗りに対応してもらえるかどうかは業者によって異なるため、一度相談してみてください。
屋根塗装における色選びは「長期的な視点」で行うことが重要です。
選んだ色が、長い間建物の見た目を決めることになります。
そのため色褪せや流行の変化に強い色を選択することが賢明です。
色褪せや汚れが目立ちにくい色は、時間が経過してもその魅力を保ち続けます。
たとえば明るい色は紫外線による色褪せや変色が目立ちやすくなりがちです。
一方で暗めの色は紫外線の影響を受けにくく汚れも目立ちにくいため、長期間にわたるメンテナンスの手間を軽減できます。
したがって屋根塗装の色を選ぶ際には流行を追うだけではなく、長期的に維持しやすい色を選択することが重要です。
このように総合的な判断を下すことで、長期間にわたって建物の美しさを保つことが可能となります。
住宅のスタイルに合った色選びは外壁塗装において非常に重要です。
伝統的な日本家屋には落ち着いた自然色が、モダンなデザインの住宅には機能性を重視しつつシャープな印象のブラックやグレーが適しています。
また地中海風の家には温かみのあるオレンジやブラウンがマッチします。
重要なのは建物の特徴を引き立て、その魅力を最大限に活かす色を選びましょう。
住宅のスタイルがどんなものか分からない場合は、インターネットなどで似た雰囲気の住宅を参考にすると良いです。
屋根塗装の色選びで後悔しないために、塗装業者など専門家の意見を参考にすることはとても大切です。
塗装業者は色選びだけでなく塗料の質、耐久性、地域の気候や周囲の環境に最適な色など、多岐にわたる知識を持っています。
過去の実績から最新のトレンドや特定の建築スタイルに特に適している色を知っているかもしれません。
そのため長期的に満足できる屋根塗装の色を選ぶためには、専門業者のアドバイスを積極的に求めることが重要です。
専門家の知見を利用することで色選びの過程をスムーズにし、最終的な結果に自信を持つことができます。
家の外観を決める大きな要素の1つが、屋根と外壁の色の組み合わせです。
人気のある屋根と外壁の組み合わせの色を紹介します。
・グレーや黒、ネイビーの外壁におすすめの屋根色
・茶色やベージュ系の外壁におすすめの屋根色
具体的な色の組み合わせを事前に検討することで建物全体の調和を実現し、長期にわたって後悔のない美しい外観を保つことができます。
ぜひ参考にしてください。
グレーや黒、ネイビーのような同系色もしくは黒系の外壁には、外壁より少し暗いトーンの色を選ぶことがおすすめです。
たとえばグレーの外壁には、さらに濃いグレーやブラックの屋根を組み合わせることで、シックな印象を与えることができます。
同様に黒やネイビーの外壁にも、それぞれより深みのある同系色の屋根を選ぶことで建物に立体感と高級感が生まれます。
外壁より暗いトーンの色の組み合わせは、シックでかっこいいイメージを好む方に特に人気です。
茶色やベージュ系の外壁にはダークブラウンやテラコッタ、さらにはダスティブラウン(くすんだ茶色)などが非常によく合います。
この組み合わせは暖かい雰囲気を演出し、家全体に柔らかく親しみやすい印象を与えてくれます。
外壁に対して少し濃い目の色を選ぶことがポイントです。
ブラウンやベージュは赤みの強いものやくすんだものなど、ブラウンの中でもどんな色を選ぶかで印象も大きく変わります。
暖かみのある茶色の屋根は落ち着いた住宅地はもちろん、自然に囲まれた立地環境にもぴったりです。
屋根塗装の色に関するよくある質問が以下の3つです。
・屋根塗装の色選びと地域の気候条件は関係ありますか？
・屋根塗装の色褪せを防ぐためにはどうすれば良いですか？
・そもそも屋根塗装は必要ですか？
1つずつ詳しく説明しましょう。
屋根塗装の色選びと地域の気候条件は関係ありますか？
屋根の色選びにおいて気候は重要な要素です。
暖かい地域では太陽の熱を反射する明るい色が好ましいとされています。
室内の温度上昇を抑え、冷房費用の節約につながるからです。
一方、寒冷地では暖かさを保持するために暗い色が推奨されがちです。
暗い色は太陽の熱を吸収しやすく室内の保温に役立ちます。
色の選択を通じて屋根の機能性を高め、長期的なメンテナンスコストを削減することができます。
そのため色選びに悩んだら地域の気候条件を考慮し、最適な屋根の色を選択することも1つです。
屋根塗装の色褪せを防ぐためにはどうすれば良いですか？
屋根塗装の色褪せを防ぐためには、まず耐候性塗料を選ぶことが重要です。
耐候性の高い塗料は紫外線や雨水、温度変化に強いため、色褪せを大幅に遅らせることができます。
安価な塗料に比べると価格が高いので初期費用がかかります。
しかし塗り直しの頻度が低くなるので長期的な視点で見るとコスパが良いです。
また塗装を施す前の下地処理を丁寧に行うことも色持ちに影響します。
下地がしっかりしていると塗料の密着性が高まり、色が長持ちします。
下地処理など施工の技術に関しては、信用できる塗装業者に依頼することが欠かせません。
信用できる塗装業者の探し方は「地元での評判を調べる」「メディア掲載実績」「資格や認定を持っている職人が在籍しているか確認する」などです。
定期的なメンテナンスや清掃も色褪せを防ぐ上で効果的なので、ぜひ実践してみてください。
一部の屋根材を除き、屋根塗装は必要不可欠です。
屋根塗装を怠ると屋根材の劣化が進み、最終的には雨漏りや断熱性の低下などの問題を引き起こす可能性があります。
屋根塗装は住宅の美観を保つだけでなく屋根材を紫外線や雨水、風、雪から守り、経年劣化を防ぎます。
特に屋根は直射日光や気候の変化に直接晒されるため、定期的な塗装とメンテナンスが必要です。
ただし粘土瓦は塗装の必要がありません。
屋根塗装の色を決める際には外観のイメージや自分の好みだけでなく、汚れや色褪せなどの機能面、周囲との調和など、さまざまなポイントを考慮して選択するのが重要です。
屋根塗装でおすすめの人気色にはブラックやグレー、ブラウン、グリーンなどがあります。
反対にホワイトや原色系の色などは向いていないため選ぶ際には注意してください。
屋根塗装の色は屋根だけを見るのではなく外壁とマッチするかなど、全体のバランスを見ながら決めていきましょう。
