「屋根塗装の見積もりで見るべきポイントを知りたい」
「業者から提示された金額が妥当か知りたい」
屋根塗装を検討している方の中には、業者の見積もり内容が適正かどうかわからず不安になっている方もいるのではないでしょうか。
屋根塗装の際には、見積もりを確認しないと高額にもかかわらず低品質な施工を行う業者がいるため注意が必要です。
本記事では、屋根塗装における見積もりのチェック項目や信頼できる業者の見極め方について詳しく解説します。
見積もり金額の変動要素についてもあわせて解説するのでぜひ参考にしてみてください。
屋根塗装の見積もりにおけるチェック項目は以下の通りです。
・項目ごとに金額が記載されているか
・塗装面積が具体的に記載しているか
・塗料の塗布量が記載されているか
・塗料のメーカーと製品名が記載されているか
・屋根材に合わせた工程を行っているか
・自社で施工を行うか
・保証やアフターフォローがあるか
順に詳しく解説します。
施工する工事について、使用する塗料や工程、資材などの項目ごとに金額が記載されているかどうかをチェックしましょう。
悪徳業者の中には「屋根塗装工事一式〇万円」と表現し、施工内容や資材の項目が設けられていない見積書を作成している業者がいます。
塗り残し箇所があっても「工事の内容に含まれていない」と説明されトラブルに発展することがあるため注意が必要です。
工事内容の内訳と金額が記載されているか確認してください。
塗装面積が具体的に記載されていないと、どれだけの面積を塗装するのかが不明確であり、トラブルにつながりやすいです。
下塗り、中塗り、上塗りのそれぞれの塗装工程における面積をしっかりと把握し、実際の塗装面積として妥当かどうかチェックしましょう。
塗料の塗布量が記載されている見積書だと安心です。
塗料は、メーカーが指定している「基準塗布量」を守らないと防水性などの効果を発揮できません。
塗装面積に対して、塗料を何缶使用するのかを明確に記載してくれる業者は信頼性が高いといえます。
塗装前と塗装後で実際の塗料缶を確認しておくのもおすすめです。
塗料のメーカーと製品名が明確に記載されているかどうかをチェックしましょう。
具体的にどのような塗料を使用する予定なのかが分かるため、安心感があります。
メーカーの公式サイトなどから製品名を調べ、業者の説明内容と齟齬がないか確認しておくと安心です。
住宅に適さない塗料が使用されてしまう可能性があるため、自身でも使用される塗料について詳しく調べておきましょう。
下塗り材なのか上塗り材なのかなど、可能であれば細かな情報までチェックしておくと良いでしょう。
屋根の素材に合わせた工程で施工しているかどうかを確認しましょう。
屋根材の素材にあわせて、サビ取りなどケレン作業が必要な場合があります。
住宅の屋根材に合わせて、必要な工程を納得できる説明のもと施工してくれる業者を選ぶようにしましょう。
依頼する業者が自社で施工を行っているかどうか確認しましょう。
自社職人がいる塗装会社では、スケジュールを柔軟に調整しやすいうえに高品質な施工を行ってくれる場合があります。
施工内容までしっかりと把握しているので、見積もりも的確に行えます。
自社で施工するかどうかは見積書に書いていない場合があるため、必要ならば直接業者に確認してみましょう。
保証やアフターフォローがある業者を選ぶと万が一のことがあっても安心です。
保証やアフターフォローがあれば、塗装の塗り残しや塗装後の剥がれなど施工不良・トラブルに対処しやすいです。
屋根塗装にかかる費用は決して安価ではありません。
後悔しない施工を行うためにもしっかりと保証やアフターフォローがある業者を選ぶようにしましょう。
屋根塗装では、見積もり金額が以下の要因によって変動します。
・塗料の耐用年数と機能
・既存屋根の状態や必要な設備
・塗装面積
順に詳しく解説します。
耐用年数が長い塗料を使用すると、費用は高くなりやすいです。
しかしメンテナンス周期を伸ばせるため、長期的な目線で見ると耐用年数が長い塗料を使用するのがおすすめな場合もあります。
塗料の中でも耐久性や防水性が高いものや断熱・遮熱機能がある場合など機能性でも費用が変動します。
使用できる塗料から業者と相談して、適切な塗料を選びましょう。
既存屋根の状態や塗料以外にも必要な設備がある場合は、屋根塗装にかかる費用が高額になりやすいです。
屋根の劣化がひどいと修復作業や下地処理が必要になることも多々あります。
屋根の形状や勾配、種類によっても費用は変動するので注意が必要です。
屋根の勾配が急な場合には別途足場代が必要になる可能性があります。
塗料以外にも必要な資材や設備によっては費用が高くなる場合があることに気をつけましょう。
塗装面積が大きいほど使用する塗料や資材・設備が必要になるので、屋根塗装の費用が高額になる傾向があります。
作業員の増員や足場・保護シートの設置など追加コストがかかるのです。
狭い範囲や小さな面積を塗装する際には、費用が安くなる傾向があります。
常に屋根は紫外線や雨風、温度変化などの外的要因に晒されており、劣化が進行しています。
経年劣化により塗膜が剥がれると、腐食や雨漏りなどの問題が起きる可能性が高いです。
屋根塗装をすれば耐久性が高まり、屋根材を保護できます。
屋根は外観から見える建物の一部です。
塗装が剥がれたり、変色したりすると建物全体の印象を損ねてしまいます。
定期的に塗装を行うことで屋根の外観を保ち、建物の価値を高めることが可能です。
屋根塗装の見積もりを検討すべき劣化のサインは以下のとおりです。
・色褪せ
・コケや藻の発生
・塗膜の剥がれ
・塗膜のヒビ割れ
・サビ
・棟板金の浮き、釘抜け
・漆喰の劣化、剥がれ
・瓦の滑落
それぞれの劣化サインについて詳しく解説します。
色褪せは年月の経過にともない屋根の塗装が薄くなり、くすんだような状態になる劣化のサインです。
色褪せは劣化の初期症状のため、すぐに塗り替える必要はありません。
しかし塗料の防水機能が低下しているサインであり、屋根内に水が浸入する恐れがあります。
深刻な状態になる前に、進行具合をこまめにチェックすることが重要です。
屋根材は防水性を失うと、コケや藻が発生します。
コケや藻は住まいの美観を損ねるだけでなく、塗膜を劣化させる原因です。
放置すると雨漏りの原因となり屋根の耐久性が損なわれるため、塗り替えを検討する必要があります。
経年劣化により屋根表面の塗膜が剥がれると雨水が浸入しやすくなり、雨漏りを引き起こします。
放置すれば被害が拡大するうえ、屋根材の腐敗や倒壊にもつながりかねません。
塗膜の剥がれは、施工不良が原因である場合もあります。
塗り重ねの際の乾燥不足なども剥がれの原因となるため、業者の施工状況にも注意が必要です。
剥がれ具合によっては早急な塗り替え工事が求められます。
屋根材は乾燥と湿気を繰り返すことでヒビ割れが発生しがちです。
地震などの揺れでも塗膜のヒビ割れの原因になります。
ヒビ割れた箇所から雨水が浸入すると雨漏りなど深刻な被害が及ぶ可能性があるため、速やかに補修や塗装を依頼しましょう。
ガルバリウム鋼板のような金属屋根は、塗装による保護機能が低下すると酸化が進み、赤サビが発生します。
サビは屋根材の腐食を意味し、進行すれば穴があく恐れがあります。
サビの範囲が広いほど除去費用がかさむため、迅速な対応が必須です。
スレート屋根や金属屋根の頂点部分には、棟板金と呼ばれる金属板が使用されています。
棟板金は屋根のてっぺんにあるので、強風や台風などの影響を受けやすいです。
温度変化による膨張と収縮を繰り返すことで、板金の浮きや釘抜けが生じます。
そのまま放置すると板金が飛ばされたり、下地材が剝き出しになったりと深刻な被害につながりかねません。
一刻も早くメンテナンスが必要な状態といえます。
漆喰は、瓦を接着し固定するために使用されるのが一般的です。
漆喰も雨風や紫外線に晒されることにより経年劣化が促進されます。
目視した際にヒビ割れや剥がれを発見した場合は、早急な対応が必要です。
漆喰が劣化すると瓦を固定する力が低下し、強風や地震で瓦がずれたり割れたりする危険性があります。
最悪の場合は瓦の落下にもつながりかねません。
漆喰が剥がれると保護された葺き土が露出するため、雨水が浸入してくる可能性が高いです。
塗装のみでは補えないため、葺き替えを専門業者に相談してみてください。
屋根の防水性が失われて湿気と乾燥を繰り返すことで、瓦に反りやヒビ割れが生じます。
劣化が相当進行していると考えられ、瓦が滑落するリスクが高いです。
瓦が滑落すると下地の釘や防水材がむき出しになり、雨水が浸入する心配があります。
雨水が野地板に浸入すれば雨漏りを引き起こし、さらに進行すると腐食の原因にもなり、塗装では対応できません。
屋根の葺き替えが必須なため、直ちに専門業者に対応を依頼しましょう。
塗装を依頼する際に、修理費用が気になる方は少なくありません。
屋根塗装の修理費用を抑えるための方法を把握しておきましょう。
・市区町村の助成金や補助金を申請する
・外壁塗装と一緒に屋根塗装をする
・繁忙期を避けて施工を依頼する
費用を抑えながらも、住まいに適した塗装を依頼するための方法を紹介します。
自治体が提供する助成金や補助金を活用することが、屋根塗装の修理費用を抑える方法の1つです。
省エネリフォームに該当する場合など、一定の条件を満たせば助成金の適用を受けられるかもしれません。
ただし助成金・補助金の内容や条件は自治体ごとに異なります。
申請を検討している場合は、事前に住んでいる地域の自治体ホームページで確認しましょう。
屋根塗装と外壁塗装を同時に施工するとコストを抑えられます。
それぞれ別々に施工依頼した場合は足場の設置が2回必要になりますが、同時施工であれば1回で済むためです。
見積もりの依頼や現地調査、立会いなどの手間も1回ですむため、時間とコストを最小限に抑えられるメリットもあります。
塗装業者には繁忙期と閑散期があり、依頼時期によって工事費用が変動します。
一般的に春から秋にかけては繁忙期といわれ、この時期の施工は高額となる傾向です。
一方で冬場や梅雨の閑散期と呼ばれる時期に依頼すれば、施工費が抑えられます。
ただし冬期や湿気が多い梅雨は気温が低く塗料の乾燥に時間がかかる、塗装の仕上がりに影響があるといったデメリットもあります。
業者と相談のうえで適切な時期を選ぶのがおすすめです。
屋根塗装をDIYでするのは、非常に危険なため避けるべきです。
素人が高所で作業すると落下する恐れがあり、重大な事故につながる可能性があります。
塗装は専門的な知識と経験が必要で、素人が行うと塗膜の剥がれなどの問題が起こりがちです。
「DIYの方が費用を抑えられる」と考えられがちですが、業者に依頼した方が安全で、費用も抑えられます。
危険性と専門性の高さから、屋根塗装はDIYではなく専門業者に任せることが賢明です。
屋根塗装を行う業者の中には悪徳業者と呼ばれる、思わぬトラブルを引き起こすような業者も存在します。
見積もり依頼を避けるべき業者の特徴は以下のとおりです。
・過度に不安を煽る
・値引きを強調する
・相場からかけ離れた金額を提示する
それぞれの特徴について詳しく解説します。
屋根塗装の見積もり依頼時に注意すべき業者の1つが、過度に不安を煽ってくる業者です。
「今すぐ塗装しないと屋根が危ない」「屋根にヒビが入っている」などと、根拠を示さずに不安を煽るような言い方をします。
業者が屋根の劣化状況を口だけで説明して契約を急かしてくる場合は「家族と相談する」と言い、その場で契約してしまわないことが大切です。
「今回だけ特別に半額」「◯◯代が無料」など、値引きを強調して契約を促そうとする業者も要注意です。
一般的な相場よりも高い状態で値引きされる場合があり、実際には高額な請求となる可能性があります。
「モニター価格で安くなります」と甘い言葉を使って安価な見積もりを提示し、契約後に追加料金を請求してくる場合もあります。
明らかに相場とかけ離れた高額または極端な安値の見積もりを提示された場合、内訳や理由を業者に問合せましょう。
一般的な相場から大幅に離れた安価な見積もりを提示してくる業者にも注意しましょう。
粗悪な塗料や手抜き施工をするリスクがあり、結果的に早期の塗り替えが必要になるなど、長期的に見るとコストがかさむ恐れがあります。
最初は安価な見積もりを示しながらも、契約後には追加費用を請求されるパターンも少なくありません。
屋根塗装の相場を把握し、悪徳業者に騙されないようにしましょう。
屋根塗装で信頼できる業者を見極めるポイントは以下の通りです。
・見積もり金額が相場とかけ離れていないか確認する
・業者の口コミや評判を確認する
・担当スタッフの人柄を確認する
順に詳しく解説していきます。
見積もり金額が相場とかけ離れていないか確認しましょう。
極端に金額が高い場合には、悪徳業者の可能性があるため注意が必要です。
納得できる説明のもと適正価格で施工してくれる業者は信頼性が高くおすすめです。
業者を選ぶ際には、見積もり金額が適正かどうかをチェックしてみてください。
業者の口コミや評判を確認してみましょう。
ホームページなどネットの口コミだけでは、良い業者であるか判断できない場合があります。
地元での評判や口コミを知り合いから聞いてみましょう。
近くに業者の施工について知っている方が少ない場合は、地域密着型の業者を選ぶのもおすすめです。
高い技術と信頼感がないと同じ地域で長年活動はできません。
地元での評判や地域に密着して活動しているかなどの観点から信頼できる業者を見極めましょう。
担当スタッフの人柄を確認することも大切です。
いくらスキルが高くても、スタッフや会社側の対応が不十分だと感じるならば満足した施工ができません。
自分の要望もうまく汲み取ってもらえない可能性があります。
業者との見積もり段階などで担当スタッフの人柄や会社側の対応をしっかりと見て、依頼するかどうかを判断しましょう。
本記事では、屋根塗装の見積もりにおけるチェック項目や信頼できる業者を選ぶポイントについて解説しました。
屋根塗装の見積もりでは、具体的な項目を設けて費用を記載してくれる業者を選ぶのがおすすめです。
悪徳業者に依頼しないためにも、本記事で紹介したチェック項目を参考に見積もりを確認してみてください。
見積もり内容以外にも「納得できる説明があるか」「業者の人柄は良いか」などを総合的にみて、信頼できる業者を選びましょう。
