「屋根塗装の見積もりを取ったら、足場の費用が意外と高かった」
「足場なしにすれば、費用を抑えられないかな」
このように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では屋根塗装に足場が必要な理由や違法性、設置コストを合理化するポイントを説明します。
実は屋根塗装を行うなら、多くの場合に足場の設置が必要です。
なぜ屋根塗装に足場が必要なのか知りたい方はぜひ最後までお読みください。
足場は、昇り降りするだけのものではありません。
屋根塗装に足場が必要な理由として、以下の4点が挙げられます。
・屋根塗装の足場に関する法律があるため
・職人の安全確保が難しいため
・施工不良を防ぐため
・周囲に配慮するため
足場があることによるメリットについても説明します。
厚生労働省の「労働安全衛生規則」によれば、2m以上の高所作業では足場を設けることが義務付けられています。
屋根塗装は2階建て以上の建物で行われるケースがほとんどで、2m以上の高さで作業を行います。
この法律が適用されるため、足場を設置せずに屋根塗装を行うと法令に抵触しかねません。
法令を守るため、また作業員の安全を守るためには足場を設置する必要があります。
前述した法律は、職人の安全を確保するために定められています。
そのため足場なしでの屋根塗装は、職人の安全を確保できない環境ともいえます。
足場なしで数十kgの塗料缶を片手に持って屋根の作業をするのは、危険です。
屋根の上は地上より強風が吹くこともあるため、職人がバランスを崩して転落するリスクが高まります。
足場に張るネットには落下を防止する役割があり、安全に作業してもらうためには足場の設置が重要です。
足場を設置せず不安定な状態で屋根塗装を行うのは、作業する姿勢が安定せず集中するのも難しい環境です。
非効率なので塗りムラや塗り残しも発生しやすく、施工不良になりかねません。
さらに雨漏りなど困った事態になり、手間や費用がかかってしまう場合があります。
塗装したのにやり直しや修理が必要となる事態は避けたいものです。
足場を設置することで作業効率が向上し、クオリティの高い仕上がりや工期短縮が期待できます。
足場を設置することは、近隣住民からのクレームやトラブルを防ぐことにもつながります。
塗装前の高圧洗浄による汚れや塗料が飛散しやすく、近隣の住宅や物を汚してしまうリスクがあります。
施工中の職人に家の中を見られていないかなど、近隣の人が不安に感じることも少なくありません。
足場の周辺に張るシートには、塗料の飛散防止や人の視線を遮る効果があります。
今後も塗装してもらった家に住むためには、周囲に配慮して足場を設置することが重要です。
足場なしでの屋根塗装は、法律に違反する可能性があります。
安全で確実に施工してもらうためには足場の設置が必要です。
しかし、足場なしでの屋根塗装が違法にならないパターンもあります。
・足場なしでも屋根塗装ができるケース
・無足場工法の概要
くわしく紹介します。
屋根塗装の際には、足場が必要な場合が多く見られます。
足場がない状態で汚れや塗料が飛散する点もデメリットです。
しかし、足場なしで対応できるケースも存在します。
・周囲に他の建物などがなく、高圧洗浄の汚れが飛んでも問題のない環境である
・陸屋根（水平な屋根）や屋上など、足場がなしでも安全に塗装できる状態にある
・高所作業車を使える状態にある
以上の要件を満たしていれば、足場がなくても違法にならず屋根を塗装できる場合があります。
ただし、職人や周囲の安全確保は必要です。
無足場工法とは、足場を設置せずに建物の施工を行う方法です。
主に、3つの方法が挙げられます。
【ゴンドラ】
建物の屋上に設置した専用のレールと機器を使って作業する方法です。
【高所作業車】
高所作業向けの装備が搭載された特殊な車で作業する方法です。
【ロープアクセス】
建物の上からロープでぶら下がった状態のまま作業を行う方法です。
ただし、無足場工法は全体を施工する屋根塗装には向いていません。
屋上にゴンドラ用の設備を設置する、高所作業車の駐車スペースを確保するなどの必要があります。
屋根塗装の場合は足場を設置する方が効率的で、余計な費用を抑えられます。
足場設置のコストを大幅に削減するのは難しいです。
しかし、工夫すれば合理化できてお得に施工ができます。
・見積もり段階で細かく点検をしてもらう
・外壁塗装など同時に施工する
・耐用年数が長い塗料を使う
合理化する方法について説明していきます。
屋根塗装を施工する前に、詳細な点検を依頼するのがおすすめです。
事前点検によって、塗装前の修理や交換が必要な部分が見つかる可能性があります。
必要な工事範囲や工程を正確に把握することで追加費用が生じるリスクを抑えられ、無駄なコストの削減にもつながります。
外壁塗装も屋根塗装と同様に、足場を設置する必要があります。
屋根と外壁の塗装を同時に行っても、屋根だけ塗装を依頼しても、足場の代金は変わりません。
そのため屋根と外壁を一緒に塗装することは、足場設置の費用を最小限にできます。
ただし屋根のみ塗装する場合と比較すると、トータルで発生する工事費は大きくなります。
予算に余裕があり外壁塗装も必要な場合は同時に施工するのもおすすめですが、必要でなければ屋根塗装のみ依頼してもよいでしょう。
耐用年数が長い塗料を使用すると、塗り替えの頻度を減らせます。
結果的に、足場設置のコストを合理化できます。
初期費用は高くなりますが、長い目で見るとメンテナンスコストの削減につながります。
おすすめなのはフッ素や無機塗料です。
高品質な塗料を使うと、美観と機能を維持できる期間も長くできます。
屋根塗装に使用される足場には、以下の4種類があります。
・くさび緊結式足場
・屋根足場
・単管ブラケット足場
・単管足場
足場の種類を知って、施工したい屋根に適した足場を設置しましょう。
部材同士をブラケットという鋼板で組み立てるタイプの足場です。
ビケ足場、くさび足場ともいわれています。
鋼板の幅が広く、塗料や工具を置きながら作業できるのが特徴です。
安全性の高い足場で組み立てや解体も簡単にでき、多くの屋根塗装で利用されています。
デメリットとしては、ハンマーで固定する際に音が響くことや、一定のスペースがないと設置できない点が挙げられます。
屋根の形状に合わせて設置される足場です。
急勾配の屋根を施工する際に、追加で設置されるケースが見られます。
屋根足場を設置することで、急勾配の屋根でも職人が安定して塗装ができます。
急勾配の屋根は周りからも屋根が良く見えるため、塗りムラがあると目立ってしまう場合があります。
クオリティの高い塗装を希望するなら設置したい足場です。
単管パイプをブラケットで固定して組み立てる足場です。
ボルトやクランプで部材を固定するため強度があり、踏み板の幅も調整できます。
組み立てや解体時間はくさび緊結式足場よりかかりますが、隣の家との幅が狭い場合でも使用できる点がメリットです。
くさび緊結式足場が設置できない場所や足場の自由度が求められる際に使われます。
単管パイプで組み立てる足場です。
細長いパイプのみで作られているため、滑りやすいです。
足元に踏み板がないため、安定性にも欠けます。
スペースが十分に取れない場合やどうしても他の足場を設置できない場合を除いて、おすすめはできません。
基本的には、くさび緊結式足場や単管ブラケット足場の設置が推奨されています。
足場無料と宣伝している業者には要注意です。
足場の設置には必ずコストが発生するため、無料にはできません。
経費など他の部分で費用を上乗せして、足場の費用を無料に見せかけているケースがほとんどです。
結果的に高い費用を請求されるリスクもあります。
「今ここで契約すれば、足場費用が無料になります」と契約を迫る業者は避けましょう。
結論として、足場がない状態で屋根塗装を行うのは推奨できません。
足場を設置しない、足場の費用を無料にしてもらうなどの方法は事故の危険性が高く、最終的な請求が高額となる場合があります。
足場は必要経費とみなして、合理化する方向でお得な施工を検討することをおすすめします。
依頼する業者や設置する足場の種類も、慎重に決めたいところです。
屋根塗装を施工する際は足場を設置する時に音が出てしまうため、近隣にあいさつをすることも大切です。
安全性の高い足場を設置し、ていねいに屋根を塗装してもらいましょう。
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