外壁にカビが発生することで住宅の見映えが悪くなり、劣化のスピードも早くなります。
そんなカビへの対策として、防カビ塗料という塗料があります。
防カビ塗料を使用すればカビの発生を抑制し、きれいな外壁を維持し外壁の耐用年数を長くすることが可能です。
本記事では防カビ塗料について以下のデメリットについて解説しています。
ご自宅の外壁のカビに悩まされている方はぜひ最後までお読みください。
防カビ塗料とは、名前のとおりカビの発生を抑制できる塗料のことです。
外壁塗料に防カビ剤が含まれていることで、カビの発生を抑制する効果が期待できます。
防カビ塗料にはもともと防カビ剤が含まれている塗料と、添加剤として販売されている防カビ剤を一般的な塗料に混ぜたものがあります。
どちらの塗料でもカビは抑制できますが、色や質感が異なってきますのでお好みに応じて塗料を選びましょう。
カビは菌の1種です。
皆さんを取り巻く空気の中にも含まれており、空気中の菌が外壁に付着して成長することでカビとして認識できます。
カビは埃や汚れを巻き込んで成長します。
緑色のカビの他にも赤カビや黒カビなどもあり、その数は現在知られているだけでもなんと約10万種類とも言われているものです。
カビは菌のため、繁殖しやすい環境の条件があります。
・多湿であること
・風通しが悪いこと
・日光が当たりにくいこと
これらの条件が重なると外壁にはカビが生えやすくなります。
また、カビは20～30℃の気温で70～80%以上の湿度を好むといわれています。
季節的には梅雨から夏の始まりが最も繁殖しやすい時期です。
また、川や田んぼが周囲にあったり、太陽光が当たりにくい北面の外壁は特にカビが繁殖しやすくなったりします。
カビが外壁に生えてくるかは周囲の環境に大きく影響を受けるため、それぞれの環境にあった対策が必要です。
以下の悩みをお持ちの方は防カビ塗料の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
・カビが生えやすい環境に住んでいる方
・カビによる外壁の見映えの悪さが気になる方
・カビによる健康被害に悩んでいる方
外壁にカビが生えることで汚れだけでなく、外壁の劣化などの被害を受けることがあります。
これらの被害を未然に防ぎたいのであれば、防カビ塗料を使用することをおすすめします。
防カビ塗料を塗っていく前に、すでに付着してしまっているカビを落とさなければなりません。
防カビ塗料はカビを防ぐ機能は持っていますが、既存のカビを除去する機能はありません。
そのため、すでに付着しているカビを落としてから防カビ塗料を塗っていきます。
カビを落とすための洗浄方法は大きく2種類に分けられます。
・高圧洗浄
・バイオ洗浄
これらの洗浄方法を紹介していきます。
高圧洗浄は高圧の水を噴射し、水圧を使って洗浄していく方法です。
強い圧力をかけることでこびりついた汚れやカビやコケを効率よく落としていきます。
水しか使わないので、環境にも優しいです。
ただし、高い圧力によって水が跳ね返り飛散するリスクがあります。
水の飛散による被害が出ないように、周囲への配慮や対策をしてから洗浄していきます。
作業時は高い水圧が外壁を傷つけるリスクがあるので、適切な水圧に調節して作業を行うことが必要です。
汚れを落とす程度の強い水圧と、壁を傷つけない程度の強すぎない圧力のバランスが重要です。
バイオ洗浄は特殊な洗浄剤を用いて、外壁に付着しているコケやカビなどの頑固な汚れを根こそぎ除去していく方法です。
洗浄剤に含まれる特殊な酵素や微生物の働きの作用で汚れを分解して、除去していきます。
コケやカビは外壁の内部に根を張って繁殖していきます。
バイオ洗浄は外壁の内部まで浸透して、根元から分解して落としていく効果をもった洗浄方法です。
多くのバイオ洗浄剤は植物由来の成分なので、安心して使えて環境にも優しいです。
高圧洗浄に比べると外壁に与えるダメージが少なくなります。
そのため、外壁が傷みにくい洗浄方法です。
ただし、費用は高圧洗浄よりも硬化になるので注意してください。
外壁にカビが生えるデメリットとしては、下記の3つが挙げられます。
・外壁の劣化が早くなる
・住宅の見映えが悪くなる
・健康被害が発生する可能性がある
これらのデメリットについて一つずつ詳しく見ていきましょう。
カビが生えることで、外壁の劣化のスピードが早くなってしまいます。
カビは外壁に付着してから時間が経過すると、内部に根を張っていくものです。
根の張りが進行し深く根を張ってしまうと、外壁の内部から劣化が始まってしまいます。
外壁の内部が劣化してしまうと塗装や清掃などのメンテナンスでは対応できず、外壁の張り替えや重ね張りを検討しないといけません。
また、カビは多くの水分を含んでいる菌の一種です。
この水分が塗膜に長時間付着すると、塗膜の劣化を進めてしまいます。
塗膜が劣化すると外壁塗装や清掃などのメンテナンスが必要になってしまいます。
カビが生えると、外壁にはまだらな緑色が付着します。
カビが付着した状態を放置すると、時間の経過とともに緑色が広がり、お家全体に広がってしまいます。
こうなると住宅の見映えが悪く、近所の住民に悪い印象を与えてしまううえに住宅の外壁にとっても良くありません。
カビは一度生えてしまうとどんどん広がっていくので、きれいな状態を保つためにはカビが生えないよう対策を実施しましょう。
外壁にカビが付着すると、周囲の空気を汚してしまいます。
いま皆さんが吸っている空気中にも微量ながら浮遊しているのですが、カビが生えている周辺の空気は特に多く含まれています。
カビを吸い込むことで、カビによる感染症やアレルギー症状を引き起こすなど身体に害を与えてしまう恐れがあります。
防カビ塗料を使用するときには下記の注意点があります。
・まったくカビが生えない訳ではない
・すでに生えているカビを消すことのできる作用はない
上記の注意点について、詳しく解説します。
防カビ塗料を使って塗装すると、カビの発生を抑制してくれます。
ですが、残念ながら絶対にカビが生えないわけではありません。
塗装後、最初は防カビ機能が作用してカビを抑制しても、時間が経つにつれてカビが生えてくる可能性はあります。
また、川や田んぼや山の近く、風通しの悪い地域、北面の外壁などカビの生えやすい条件を満たしていると、防カビ塗料を塗ってもカビが生えやすい場合もあります。
防カビ塗料を使用していても、定期的な清掃や塗り替えは必要です。
防カビ塗料は読んで字のごとくカビの発生を防ぐ塗料です。
あくまで予防としてカビを防ぐ機能は持っているのであって、既に発生しているカビを消す効果はありません。
すでにカビが生えてしまっている場合に、DIYで防カビ塗料を上塗りしても何の意味もありません。
すでに生えているカビは業者に依頼して、高圧洗浄やバイオ洗浄などでカビを根っこから消し去った後に、防カビ塗料を塗りましょう。
防カビ塗料はカビの繁殖を抑える効果のある塗料です。
防カビ塗料の効果を最大限発揮させるために、おすすめの使用場所について紹介します。
・日が当たりにくい場所
・湿度の高い場所
これらの環境には防カビ塗料を使うことをおすすめします。
日が当たりにくい場所はカビが生えやすいので、防カビ塗料の使用がおすすめです。
日当たりの悪さは湿気がこもりやすく、カビが生えやすい環境を作り出します。
防カビ塗料を使うことで、カビの発生を抑制可能です。
また、太陽光には水分を飛ばして乾燥させる効果があります。
日が当たりにくい場所は雨が降った後に外壁が乾きにくいです。
そのため、耐水性の高い塗料を使用することをおすすめします。
カビは湿気を好み、繁殖しやすいという特徴があります。
湿気の多い場所はカビが生えやすいので、防カビ塗料を使いたいです。
川や山が近くにある家は、周囲の湿度が高いので防カビ塗料の使用をおすすめします。
また、風の吹きにくい地域も湿度が高くなるのでカビが繁殖しやすいです。
隣の建物との距離が近い家や、周囲を建物に囲まれている家は風が吹きにくいので注意してください。
防カビ塗料はメーカーも種類も豊富にあります。
何を基準にどの塗料を選んだら良いいか悩むかと思います。
選ぶ際は以下のポイントに押さえておきましょう。
・対応しているカビの種類が多いか
・耐用年数が長いか
・業者に相談する
防カビ塗料の選定に悩んでいる方は内容を確認して、参考にしてください。
防カビ塗料を選ぶ際には、対応しているカビの種類が多いかどうかを確認しましょう。
一般的な住宅に生えるカビの種類は非常に豊富です。
カビが生えると外壁が緑色になるので緑のカビが多いですが、赤いカビや青いカビも含まれます。
対応できるカビの種類が多ければ多いほど防カビ効果は高いです。
塗料を選ぶ際にはできるだけ対応しているカビの種類が多い塗料を選びましょう。
防カビ成分は塗料の付加価値であり、耐用年数を決定づけるものではありません。
耐用年数は塗料の主成分によって異なります。
例えば防カビフッ素塗料であれば12～20年の耐用年数、防カビシリコン塗料であれば7～15年の耐用年数です。
耐用年数の長さは外壁の塗り替えの頻度に影響します。
次回以降の塗り替えまでの年数を長くしたい方は、耐用年数の長い塗料を選びましょう。
耐用年数が長いほどコストが高くなるので、コストを抑えたい方は耐用年数の短い塗料を選んでください。
塗料の主成分を確認して、予算に合わせた塗料を選定しましょう。
防カビ塗料の選定に悩んだら業者に相談してみましょう。
建物の状況やそのエリアの環境にあった防カビ塗料を提案してくれます。
外壁をどのような仕上がりにしたいか、どんな外壁に変えたいかという希望を持っておいて打ち合わせの際に伝えましょう。
要望がない場合でも現状の外壁塗装に対する不満を伝えて、その不満を解決できる方法を一緒に考えてもらいましょう。
ご自身での判断が重要になる面もありますが、専門家の意見を聞くことは最適な選択をするうえで有効な手段です。
防カビ塗料はさまざまなメーカーから製品が販売されています。
その中でもよく使われる印象がある、主な塗料をピックアップして紹介したいと思います。
・アステックプラスシリーズ
・バイオタイト
・水性ケンエース
各メーカーと製品の特徴を知って、防カビ塗料を選ぶ際の参考にしてください。
アステックプラスシリーズはアステックペイント製の防カビ塗料です。
厳密にいうとアステックプラスは防カビ添加剤です。
防カビ添加剤とは、塗料に混ぜることで防カビ効果を付与する機能を持っています。
元の塗料の色あいや機能を活かしつつ、防カビ機能を付与できる使い勝手の良い塗料です。
約2000種類のカビ、細菌、藻類等に対して効果が発揮できます。
悪臭がほとんどせず、安全な成分で作られており安心して使用できる塗料です。
バイオタイトシリーズはエスケー化研株式会社製の防カビ性能に優れた塗料です。
アクリル樹脂系の塗料で外壁の美観を長く保ちます。
従来の塗料では難しいと言われていたカビと藻の両方を同時に防ぐという高い性能が特徴です。
環境へ配慮されている水性塗料で臭気が少ないので安心して使えます。
さらに防火認定を取得しているので、住宅だけでなく密集地の店舗など幅広く使用可能です。
刷毛さばきや塗り継ぎが良いので、作業性が高くきれいな仕上がりになりやすい塗料です。
カラーバリエーションも豊富なので、お好みに合わせた塗装を実現できます。
水性ケンエースは日本ペイント株式会社が開発した防カビ性能の付与された水性塗料です。
付着性の高い塗料で、改修時の塗装にも適した塗料です。
また、水性塗料であり、VOC（揮発性有機化合物）の含有量が少ないので環境に配慮されています。
つや消し仕上げで不自然な光沢がなく、自然な外観に仕上がります。
塗膜は硬度を有しており、付着した汚れが簡単に拭き取れるので、防汚性の高い塗料です。
木材から出てくるヤニを抑える効果を持っており、軽微なヤニであれば止められます。
防カビ塗料を使用するにあたってよくある質問をお答えします。
・防カビ塗料の持続期間は？
・防カビ塗料のメンテナンス方法は？
・防カビ塗料の塗装方法は一般的な塗料とは違うのか？
詳しく見ていきましょう。
防カビ塗料にはこれといった持続期間は特に定められていません。
それは外壁を取り巻く周囲の環境によってカビの生え具合が異なるからです。
日照条件や空気中の水分量などでカビの繁殖具合は変わってきますので、塗料メーカーも一概に期間を定めることは難しいのです。
防カビ機能の持続期間とは別で、塗料自体の耐久性は定められていることがあります。
たとえば、シリコン塗料であれば7～15年、フッ素塗料であれば12～20年との耐用年数が期待できます。
塗料を塗り替える場合は、塗料そのものの耐用年数を参考にしてください。
防カビ塗料には特別なメンテナンスは必要ありません。
一般的な外壁塗料と同じように、定期的な清掃や塗り替えなどのメンテナンスが必要になります。
ただしカビが生えてしまったのであれば、業者にお願いしてバイオ洗浄をすることがおすすめです。
バイオ洗浄を適切に実施すれば、外壁に生えたカビを根元から消し去ることができます。
お住まいの環境に応じてメンテナンス方法は変わってくるので、詳しくは業者に相談してみましょう。
防カビ塗料の塗装方法は一般的な塗装方法と変わりません。
下塗り、中塗り、上塗りという通常の順序で塗装します。
通常の塗料に防カビ剤を含んでいるだけなので、特別な方法で塗装する必要はありません。
ちなみにメーカーによっても異なりますが、一般的な塗料にも少量ではありますが防カビ剤が含まれている場合が多いです。
防カビ塗料をDIYで塗装することは避けた方が無難です。
ただ単に塗装するだけならできますが、防カビの性能が発揮できなくなる可能性があります。
塗装時の下地処理がきれいにできていて、塗りムラなどが生まれずにきれいな塗装ができてこそ防カビ塗料の機能が最大限に発揮されます。
それは技術を持った職人が塗装するということです。
職人の作業は簡単に塗っているように見えますが、実際には経験の積み重ねによる確かな技術で塗装されています。
防カビ塗料の効果を最大限発揮するためにもDIYはせずに、業者にお願いしましょう。
防カビ塗料を使用すれば、外壁に発生しているカビの繁殖を防いでくれます。
現在外壁にカビが生えていてお悩みの方は、この機会に防カビ塗料の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
防カビ塗料を使用する際には、外壁業者に見積もりを依頼してみましょう。
現状の外壁の様子や生えているカビの状態、周囲の環境などから最適な防カビ塗料を提案してくれます。
外壁のカビで悩んでいる方は、ぜひ業者に依頼して防カビ塗料を使ってみてください。
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