外壁塗装に使用する塗料の種類はさまざまありますが、長持ちする塗料として光触媒塗料の名前を耳にした方も少なくありません。
しかし「光触媒塗料にはどのような特徴があるのか」「塗装前にメリットとデメリットを知りたい」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、光触媒塗料の特徴やメリット・デメリット、外壁塗装を依頼する際の注意点について解説します。
光触媒塗料はセルフクリーニング効果に優れ、汚れがつきにくく美しい外観が長く維持できるのが特徴です。
光触媒塗料を使用した外壁塗装を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
光触媒塗料とは、酸化チタンを主原料とした塗料のことです。
触媒とは、それ自身は反応しませんが、他の物質に対して化学反応を促進する物質のことです。
光触媒は「光を吸収し化学反応を促進する物質」のことを指します。
主成分の酸化チタンは化粧品や食品の着色料として使用されている物質で、肌に触れても人体への影響を心配する必要はありません。
お子様や高齢者、ペットを飼っていても安心して塗装を依頼できます。
光触媒塗料の主なメリットは以下のとおりです。
・セルフクリーニング効果が高い
・耐久性が高い
・空気浄化効果が高い
・防藻、防カビ効果が高い
それぞれの特徴について解説します。
光触媒塗料はセルフクリーニング効果が高いです。
光触媒塗料の主成分である酸化チタンが紫外線に反応すると、外壁表面に酸化還元反応が起き活性酸素を発生させます。
活性酸素は空気中の大気汚染物質を分解する力があり、塗膜の表面に付着した排気ガスのような汚れを分解するのが特徴です。
雨水が付着しやすい性質もあるため、外壁に付着した汚れを自然に洗い流すセルフクリーニング効果が高いといえます。
外壁は常に紫外線や雨風にさらされ、経年劣化しやすい箇所です。
光触媒塗料がセルフクリーニング効果を発揮すれば、美観を維持しやすく外壁の掃除が省けます。
その結果、リフォームや塗り直しを再度依頼する期間が長くなるためお得です。
耐久性が高いのも光触媒塗料のメリットの1つです。
外壁を劣化させる原因でもある紫外線や長い年月の間に蓄積した汚れは、塗装の劣化を促進します。
セルフクリーニング効果に優れている光触媒塗料を塗装すると、付着した汚れが落ちやすいです。
汚れが減ると外壁塗装の劣化速度も遅くなり、耐久性向上につながります。
光触媒塗料は他の塗料を比較しても耐久性が高く、一般的に10〜22年の耐用年数といわれています。
ただし、耐用年数はあくまでも目安で、光触媒塗料の歴史はまだ浅く実証結果も少ないです。
塗料の効果は、施工する地域の気候や日当たりの良さなど建物の立地に左右されます。
耐用年数は必ずしも正確ではないことを覚えておきましょう。
光触媒塗料のメリットに、空気浄化効果が高いことが挙げられます。
光触媒は紫外線が当たると外壁表面に強力な酸化力が発生し、 有機化合物や細菌などの有害物質を分解できます。
空気浄化効果に優れているため、新型感染症が流行した際にも衛生的な塗料として注目を集めました。
自浄作用だけでなく、臭いを分解する防臭機能も兼ね備えているのが強みです。
さらに活性酸素は臭いの原因物質に吸着して分解するため、消臭効果も期待できます。
光触媒塗料は、防藻・防カビ効果に優れている塗料です。
セルフクリーニング効果により塗膜が常に清潔な状態に保たれるため、藻やカビの発生を抑えられます。
アレルギーの原因物質である有害物質「ホルムアルデヒド」を分解・除去する効果もあり、安全な塗料といえます。
光触媒塗料には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。
デメリットは以下を参考にしてください。
・初期費用が高い
・無機質な汚れは落ちない
・ひび割れしやすい
・屋根に塗装ができない
・色のバリエーションが少ない
・仕上がりに差が出やすい
外壁塗装で後悔しないためにも、施工を依頼する前にデメリットを知りましょう。
それぞれのデメリットを紹介します。
光触媒塗料は他の塗料と比較して耐用年数も長いため、塗料の価格が高くなりがちです。
施工には熟練した技術が必要なため、その分だけ施工費用が高くなる可能性もあります。
しかし、セルフクリーニング効果により頻繁に塗装の塗り替えやメンテナンスをする必要はありません。
長い目で考えると費用対効果は高いといえますが、初期費用をとにかく抑えたい方には不向きといえます。
外壁塗装を依頼する前に、予算や塗料の性能を十分に考慮して依頼しましょう。
光触媒塗料の魅力であるセルフクリーニング機能は、油脂による汚れに対して有効です。
その一方で泥汚れや鳥の糞などの無機質な汚れに対しては、分解しきれないかもしれません。
汚れが外壁に付着したままだと、光触媒塗料の効果を発揮しづらくなります。
光触媒塗料のセルフクリーニング効果は、紫外線や雨水に反応して初めて効果を発揮します。
日当たりの悪い場所では、汚れが目立つ可能性があるので注意しましょう。
塗装で後悔しないためにも、外壁に太陽光がどれくらい当たるのかをあらかじめ考慮する必要があります。
光触媒塗料は施工後、他の塗料と比べると硬くなりやすいため、ひび割れしやすいです。
ひび割れした箇所から雨水が室内に侵入する確率が高くなり、雨漏りになるリスクが高まるかもしれません。
光触媒塗料は耐久性の高さが強みですが、ひび割れによるメンテナンスが必要となる点には注意をしてください。
現時点では屋根用の光触媒塗料は販売されていません。
屋根と外壁の塗装を同時に行う際に外壁へ光触媒塗料を使ったとしても、屋根は別の塗料を使う必要があります。
光触媒塗料よりも耐用年数が短い塗料で屋根を塗装すると、耐久性に差が生まれてしまいます。
その結果、屋根と外壁を別々のタイミングで塗り替えなければなりません。
外壁と屋根をまとめて塗装すれば1回で済む足場代などを2回分支払わなければならず、施工費用が高くなります。
光触媒塗料は屋根以外にも木部や石、漆喰、樹脂などには使用できません。
光触媒塗料と他の塗料で塗装する場合、それぞれの塗料の特徴や耐久性について事前に把握すると塗り直しの見通しがつきやすいです。
光触媒塗料は白っぽい色が多く、選べる色のバリエーションが少ないというデメリットがあります。
原料である酸化チタンが白色顔料であるため、濃色の塗料がつくれないためです。
塗膜の艶も他の塗料と比べて、鮮やかな艶を出すことは難しいといわれています。
色の選択肢が少ないので、外壁の色合いにこだわりたい方には不向きかもしれません。
光触媒塗料は、風の強さや湿気などに仕上がりが左右される繊細な塗料です。
施工する職人の技術力が必要なため、色ムラが出たり、セルフクリーニング効果を発揮しなかったりする場合もあります。
光触媒塗料の施工を依頼する際は、実績が豊富で評判の良い業者に依頼するのがおすすめです。
光触媒塗料で施工を依頼する際に、ぜひ押さえてほしい注意点は以下のとおりです。
・確かな実績が豊富な施工会社に依頼する
・地元に愛されている会社を選択する
・会社の口コミや評判を確認する
・見積書の内容が明朗会計である
外壁塗装は住まいの印象を大きく左右します。
失敗しない家づくりのためにも、依頼する施工業者はきちんと見極めましょう。
光触媒塗料のデメリットを把握した上で外壁塗装を依頼しよう
光触媒塗料は、高いセルフクリーニング効果で住まいの美観を維持できます。
一方で初期費用が高額だったり、塗装できる場所に制限があったりとデメリットには注意してください。
大事な住まいに関することなのでデメリットをきちんと理解して、施工依頼をしましょう。
「光触媒塗料を検討しているけど、自宅に適しているかわからない」と不安な方はいませんか。
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