塗装に欠かせない素地調整とは?概要や下地調整との違いなどを解説
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![作業](https://tosouyasan.net/wp-content/uploads/DELB0103.jpeg)
「素地調整にどんなメリットがあるの?」
このように思うことはないでしょうか。
外壁などを塗装する際に必要になるのが素地調整です。
しかし素地調整のメリットや注意点などがわからず、困っている人もいるのではないでしょうか。
本記事では素地調整について紹介します。
素地調整の概要、下地調整やケレンとの違い、メリット、種類などについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
素地調整の概要
![塗装工事中](https://tosouyasan.net/wp-content/uploads/塗装工事中-1.jpg)
「下地調整」や「ケレン」と呼ばれることもあります。
塗装する面が汚れていると、塗装の外観が悪くなったり塗膜が剥離しやすくなったりしてしまいます。
そのため下準備としてサビやゴミなどを取り除くことが必要です。
素地調整を行うことで塗装する場所を塗装に適した状態にすることができ、仕上がりや耐久性が向上します。
素地調整は塗装を長持ちさせるうえで必須の作業です。
素地調整と下地調整の違い
素地調整と下地調整との違いは、施工場所が以前に塗装されていたかどうかです。
素地はこれから塗装する面に塗料が塗られていない状態のことを指します。
過去に一切塗装されていない場所を整えることを素地調整とされており、「素地ごしらえ」や「塗り前」とも呼ばれることもあります。
一方、下地はこれから塗装する面が既に塗装された状態のことです。
下地調整では、すでに塗装された面を重ね塗りに適した状態に整えます。
素地調整と下地調整は施工場所の状態に違いがあるだけで目的は同じです。
素地調整と下地調整を分けずに、どちらも素地調整と表現する場合もあります。
素地はこれから塗装する面に塗料が塗られていない状態のことを指します。
過去に一切塗装されていない場所を整えることを素地調整とされており、「素地ごしらえ」や「塗り前」とも呼ばれることもあります。
一方、下地はこれから塗装する面が既に塗装された状態のことです。
下地調整では、すでに塗装された面を重ね塗りに適した状態に整えます。
素地調整と下地調整は施工場所の状態に違いがあるだけで目的は同じです。
素地調整と下地調整を分けずに、どちらも素地調整と表現する場合もあります。
素地調整とケレンの違い
素地調整とケレンは作業を行う素材の範囲に違いがあります。
ケレンはおもに鉄製の素地に行う素地調整のことで、英語の「クリーン」がなまって「ケレン」になったと言われています。
ケレンは素地調整だけでなく下地調整も含むことも多く、鉄製の素地・下地の面を整えると理解しても問題ありません。
一方、素地調整はより素材に適用される下準備のことで、より広い概念と言えます。
基本的に素地調整とケレンの目的は同じで、塗装前に素地を整え、塗装の品質や耐久性を向上させるための工程です。
目的が同じなので、木材など他の素材の素地調整をケレンと説明する業者も少なくありません。
ケレンはおもに鉄製の素地に行う素地調整のことで、英語の「クリーン」がなまって「ケレン」になったと言われています。
ケレンは素地調整だけでなく下地調整も含むことも多く、鉄製の素地・下地の面を整えると理解しても問題ありません。
一方、素地調整はより素材に適用される下準備のことで、より広い概念と言えます。
基本的に素地調整とケレンの目的は同じで、塗装前に素地を整え、塗装の品質や耐久性を向上させるための工程です。
目的が同じなので、木材など他の素材の素地調整をケレンと説明する業者も少なくありません。
素地調整のメリット
![塗装の剥がれ](https://tosouyasan.net/wp-content/uploads/IMG_2115-scaled.jpg)
・サビや汚れを取り除ける
・塗料が付着しやすくなる
どちらも外観や耐久性を向上させるうえで重要な要素なので、ぜひご確認ください。
サビや汚れを取り除ける
素地調整を行うことにより、塗装の妨げになるサビや粉じん、塩分、水分などの不純物を取り除くことができます。
塗膜が被塗面にしっかり密着していないと効果が十分に発揮されません。
被塗面に不純物が残っていると塗料と素地・下地の間にすき間ができるため、塗膜が剥がれやすくなるからです。
塗膜が被塗面に密着していない場合、風雨や紫外線によるダメージから建物を十分に保護できない可能性があります。
そのため、素地調整により不純物を取り除けることは大きなメリットです。
塗膜が被塗面にしっかり密着していないと効果が十分に発揮されません。
被塗面に不純物が残っていると塗料と素地・下地の間にすき間ができるため、塗膜が剥がれやすくなるからです。
塗膜が被塗面に密着していない場合、風雨や紫外線によるダメージから建物を十分に保護できない可能性があります。
そのため、素地調整により不純物を取り除けることは大きなメリットです。
塗料が付着しやすくなる
素地調整により塗料が付着しやすくなることもメリットの1つです。
素地調整を行うことで被塗面に細かな凹凸がつき、塗料が付着しやすくなります。
被塗面に凹凸がなくつるつるしていると塗料が付着しにくくなるため、塗膜がはがれやすくなってしまいます。
被塗面に細かな凹凸があると塗料との接着面積が増えて剥がれにくくなるため、塗膜を長持ちさせるのに効果的です。
塗料が被塗面としっかりと密着することにより耐久性も高くなる効果もあります。
素地調整を行うことで被塗面に細かな凹凸がつき、塗料が付着しやすくなります。
被塗面に凹凸がなくつるつるしていると塗料が付着しにくくなるため、塗膜がはがれやすくなってしまいます。
被塗面に細かな凹凸があると塗料との接着面積が増えて剥がれにくくなるため、塗膜を長持ちさせるのに効果的です。
塗料が被塗面としっかりと密着することにより耐久性も高くなる効果もあります。
素地調整(ケレン)の種類
![仮設足場](https://tosouyasan.net/wp-content/uploads/塗装足場.jpg)
おもな種類は以下の通りです。
・木材の素地調整
・1種ケレン
・2種ケレン
・3種ケレン
・4種ケレン
素地調整が必要な場所は木材または鉄が大部分を占めます。
なかでもケレンはISO規格で規定されており、作業内容や表面の状態などで4つのグレードに分かれています。
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
木材の素地調整
木材の素地調整は木材の表面に清掃、研磨、補修などを行い、塗料がしっかり密着できるように処理します。
まず表面の汚れや油分、カビなどを取り除きます。
次にサンドペーパーなどで研磨し、表面を滑らかにしていくという流れです。
新しい木材の場合は、粗めのサンドペーパーからはじめ細かいものへと変えていくことで、適切な細かさの凹凸をつけていきます。
古い木材の場合は古い塗膜の状態に合わせて、適切な粗さのサンドペーパーで研磨します。
木材の表面に穴や割れ、傷などがある場合は補修が必要です。
さらに必要に応じて木材に適した下塗りを行います。
これらの作業を適切に行うことで塗料の密着性を向上させられます。
まず表面の汚れや油分、カビなどを取り除きます。
次にサンドペーパーなどで研磨し、表面を滑らかにしていくという流れです。
新しい木材の場合は、粗めのサンドペーパーからはじめ細かいものへと変えていくことで、適切な細かさの凹凸をつけていきます。
古い木材の場合は古い塗膜の状態に合わせて、適切な粗さのサンドペーパーで研磨します。
木材の表面に穴や割れ、傷などがある場合は補修が必要です。
さらに必要に応じて木材に適した下塗りを行います。
これらの作業を適切に行うことで塗料の密着性を向上させられます。
1種ケレン
1種ケレンは、施工場所の金属の腐食が酷いケースや施工面積が広い場合に行われる作業方法です。
サビなどの汚れがある箇所へ研磨剤を高圧力で打ち付ける「ブラスト法」を用いて処理を行います。
ブラスト法でサビや古い塗料などを取り除き、素地や下地をむき出しにします。
1種ケレンは4種類のケレンのなかで、最も効果が高い作業方法です。
ただし1種ケレンは大掛かりな作業になるため、一般住宅で行われることはほとんどありません。
万が一行われる場合は騒音や粉じんの対策が必要となります。
サビなどの汚れがある箇所へ研磨剤を高圧力で打ち付ける「ブラスト法」を用いて処理を行います。
ブラスト法でサビや古い塗料などを取り除き、素地や下地をむき出しにします。
1種ケレンは4種類のケレンのなかで、最も効果が高い作業方法です。
ただし1種ケレンは大掛かりな作業になるため、一般住宅で行われることはほとんどありません。
万が一行われる場合は騒音や粉じんの対策が必要となります。
2種ケレン
2種ケレンは、施工場所で金属の腐食やサビが広範囲に広がっているケースで用いられる作業方法です。
ブラスト法ではなくパワーブラシやワイヤーブラシ、エアハンマーなどの電動工具やエア工具を使って、サビや塗膜を落としていきます。
電動工具を使えない場合などはヤスリなどの手工具を使って、手作業で削っていきます。
1種ケレンとは違い2種ケレンは比較的粉塵や騒音などの影響が少ないため、一般住宅で用いられることもある作業方法です。
ブラスト法ではなくパワーブラシやワイヤーブラシ、エアハンマーなどの電動工具やエア工具を使って、サビや塗膜を落としていきます。
電動工具を使えない場合などはヤスリなどの手工具を使って、手作業で削っていきます。
1種ケレンとは違い2種ケレンは比較的粉塵や騒音などの影響が少ないため、一般住宅で用いられることもある作業方法です。
3種ケレン
3種ケレンは被塗面にしっかりと密着した塗膜を「活膜」として残し、サビや割れなどが発生している古い塗膜を取り除く作業方法です。
サビや劣化している塗膜の面積の広さに応じて、A・B・Cに分けられます。
・3種Aケレン:サビの面積が全体の15~30%、塗膜欠陥部の比率が30%以上
・3種Bケレン:サビの面積が全体の5~15%、塗膜欠陥部の比率が15~30%
・3種Cケレン:サビの面積が全体の5%以上、塗膜欠陥部の比率が5~15%
A・B・Cの作業内容は同じで、パワーブラシなどの電動工具や、ヤスリなどの工具を使ってサビなどを取り除いていきます。
粉じんや騒音などの影響が少ないため一般住宅でよく用いられる作業方法です。
サビや劣化している塗膜の面積の広さに応じて、A・B・Cに分けられます。
・3種Aケレン:サビの面積が全体の15~30%、塗膜欠陥部の比率が30%以上
・3種Bケレン:サビの面積が全体の5~15%、塗膜欠陥部の比率が15~30%
・3種Cケレン:サビの面積が全体の5%以上、塗膜欠陥部の比率が5~15%
A・B・Cの作業内容は同じで、パワーブラシなどの電動工具や、ヤスリなどの工具を使ってサビなどを取り除いていきます。
粉じんや騒音などの影響が少ないため一般住宅でよく用いられる作業方法です。
4種ケレン
4種ケレンも、活膜を保ちながら古い塗膜を取り除く作業方法です。
取り除く塗膜も、わずかなサビなど、ダメージや劣化が軽微なものがほとんどです。
劣化が軽微なため電動工具ではなくヤスリや研磨スポンジなどの手工具を使用し、サビなどが発生している場所のみ除去します。
また4種ケレンはサビや異常部を取り除く以外にも、素地に凹凸をつけて塗料が付着しやすくする目的で行われることもあります。
取り除く塗膜も、わずかなサビなど、ダメージや劣化が軽微なものがほとんどです。
劣化が軽微なため電動工具ではなくヤスリや研磨スポンジなどの手工具を使用し、サビなどが発生している場所のみ除去します。
また4種ケレンはサビや異常部を取り除く以外にも、素地に凹凸をつけて塗料が付着しやすくする目的で行われることもあります。
素地調整の注意点
![アパート塗装完成1](https://tosouyasan.net/wp-content/uploads/IMG_4825-scaled.jpg)
対策を行わないと環境や作業員の健康に悪影響が出る可能性があります。
素地調整で発生する騒音対策も必要です。
近隣住民への周知や作業する時間帯の配慮などをしておかないと、トラブルになる可能性があります。
また素地調整を業者に依頼する場合、丁寧に素地調整が行われているか確認が必要です。
塗装直後は素地調整していなくても見た目で判断しにくいため、素地調整を十分に行わない悪質な業者がいるのが実情です。
十分に素地調整が行われていないと、耐用年数を待たずに塗膜のはがれやサビが発生してしまいます。
業者に任せきりにするのではなく、契約内容や施工工程などをしっかりチェックする必要があります。
業者を選ぶ際には地域での評判や実績などを確認し、信頼できる業者を選びましょう。
素地調整をきっちり行い、塗装を美しく仕上げよう
![倉敷アパートの塗装時の仮設足場](https://tosouyasan.net/wp-content/uploads/IMG_4563-scaled.jpg)
素地調整は、塗装前に行う前の下準備作業です。
素地調整を丁寧に行うことで、塗装の外観や耐久性を向上させることができます。
素地調整には複数の種類があり、被塗面の素材や状態に合わせて適切な素地調整を行う必要があります。
ぜひ本記事で紹介した内容を参考に素地調整を丁寧に行い、ご自宅の塗装をきれいに仕上げてください。
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