「外壁塗装の乾燥が不十分だとどうなるの？」
「塗料が乾くまでにかかる時間が知りたい」
外壁の美しさを保つには、各工程に応じた適切な乾燥時間を厳守して塗装することが重要です。
施工業者のスキル不足や手抜き工事によって、乾燥がおろそかになると施工不良が発生しかねません。
施工業者の質を見極めるためにも、施主自身が乾燥時間の目安を知っておいて損はないでしょう。
本記事では「外壁塗装の乾燥時間を守ることの重要性」や「乾燥時間を守らないことで想定されるリスク」などについて、詳しく解説していきます。
乾燥時間について必要な情報もお伝えするので、本記事を読めば乾燥時間についての理解が深められます。
ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装の塗料は、しっかりと乾燥させることでその効果を発揮します。
たとえ高価格で高性能な塗料を使用していても、塗料の乾燥が不十分だと低品質な仕上がりになりかねません。
乾燥時間は、工程ごとに目安の時間が定められています。
使用する塗料によっても推奨されている乾燥時間があり、それぞれ記載されている時間は異なります。
天候や外気温、湿度なども乾燥時間が変わる要因です。
このように乾燥時間はさまざまな要素で変動するため、適切なタイミングを見極めることは簡単ではありません。
たしかな実力を持った専門の塗装業者に施工を依頼することが賢明でしょう。
塗料の乾燥には、4段階の状態変化があり、完全に乾燥するまでに最長で2か月程度かかります。
塗装工事の際は塗料が完全に乾燥しきるまで待つことはなく、ある程度の乾燥段階で塗り重ねをおこなっていきます。
塗料の乾燥状態の流れは、以下の4段階です。
・指触乾燥（第1段階）
・半硬化乾燥（第2段階）
・硬化乾燥（第3段階）
・完全乾燥（第4段階）
それぞれの詳細と、乾燥にいたるまでの目安時間を説明していきます。
指触乾燥は、塗装面を軽く指で触っても塗料が付着しない程度の乾燥状態です。
表面は乾燥していますが、内部まではまだ乾燥していません。
この段階での重ね塗りは不可です。
指触乾燥までにかかる時間は、塗装後「1〜2時間」程度です。
半硬化乾燥は、塗装面を指で軽くこすっても塗膜に傷が付かない程度の乾燥状態です。
この段階から、重ね塗りが可能になります。
半硬化乾燥にかかる時間は、塗装後より「数時間〜1日」程度です。
硬化乾燥は、塗装面を強くこすったり押したりしても塗膜に傷が付かない状態です。
目視では完全に乾いているように見えますが、内部は乾燥途中です。
指の爪など尖ったもので触ると、塗膜に傷が付いたり剥がれたりするため注意しましょう。
硬化乾燥にかかる時間は、塗装後より「1週間」程度です。
完全乾燥は、塗膜の内部まで硬化が完了した状態です。
塗膜が完全に形成されており、強くこすっても傷が付きません。
この状態になると、酸やアルカリなどの薬品への耐性もあります。
完全乾燥にかかる時間は、塗装後より「2週間〜2か月」程度です。
塗料が乾燥するまでの流れと目安時間を把握しておきましょう。
外壁塗装工事で、乾燥が必須となるタイミングは「高圧洗浄」と「塗装工程」の後です。
高圧洗浄では高圧の水の噴射により外壁の汚れを落としますが、水分が付いたままだと下塗り塗装の定着を妨げるため乾燥が必要です。
塗装工程では「下塗り」「中塗り」「上塗り」と3回の塗装後にそれぞれ乾燥させます。
【工程ごとの乾燥時間の目安】
・高圧洗浄後の乾燥：1～2日
・下塗り後の乾燥：1日
・中塗り後の乾燥：1日
・上塗り後の乾燥：1日
乾燥の必要性を理解しておきましょう。
外壁塗装の乾燥時間を守らないことで想定されるリスク
外壁塗装では「下塗り→中塗り→上塗り」と3回にわけて塗料を塗り重ねていきます。
この工程を丁寧かつ確実に施工することで、外壁塗装は高品質な仕上がりになります。
乾燥時間が不足すると仕上がりが悪くなり、施工後に不具合が生じるかもしれません。
乾燥時間を守らないことで想定されるリスクは以下の通りです。
・塗装にムラが出てしまい美観が損なわれる
・塗装が剥がれやすくなる
・塗料の効果が十分に発揮されない
それぞれ詳しく解説していきます。
塗料が乾燥しきっていない状態で塗料を塗り重ねていくと、塗装にムラが出やすいです。
とくに中塗りの工程での乾燥が不十分だと、塗膜にムラが発生しやすく仕上がりが悪くなる恐れがあります。
乾燥不足の状態で塗装をすると、施工後に塗装が剥がれやすくなるでしょう。
塗装が剥がれてしまうと見た目が悪くなるだけではなく、塗膜による保護がなくなり耐久性も低下します。
劣化が促進されて、家自体の寿命が短くなる恐れがあります。
とくに高圧洗浄によって付着した水分をしっかり乾燥させないと、後の工程である下塗り塗装が定着しにくくなり塗料が剥がれる要因になることを覚えておいてください。
美観や耐久性を向上させるため、多くの塗料にはさまざまな効果が付与されています。
高品質な塗料ほど、高価格になる傾向があります。
せっかく高品質な塗料を使用しても、乾燥不足の状態で施工しては塗料の効果は十分に発揮されません。
【塗料に付与されている効果の例】
・劣化を抑える効果（ラジカル抑制効果）
・汚れの付着を防ぐ効果
・断熱効果、遮熱効果
・防カビ効果
乾燥時間を厳守して、外壁の美観や耐久性を向上させましょう。
施工期間を短くするために「乾燥時間を短縮したい」と思う方もいることでしょう。
前提として、乾燥時間を大幅に削減することは不可能です。
ただし乾燥が遅れる要素を排除することで、乾燥時間を僅かでも短縮できます。
外壁塗装の乾燥時間を短縮させる方法は以下の2つです。
・気温が高い時期に施工する
・風通りをよくする
それぞれ解説していきます。
塗料は外気温が高く湿度が低いと、乾燥するペースが早くなります。
塗料の乾燥時間を短縮するためには、以下の条件での施工がおすすめです。
【塗装時間を短縮できる時期】
・気温が高い季節（春・夏・秋）
・雨天の少ない時期
梅雨や台風の時期は、湿度が高くなります。
冬は気温が低いため、乾燥する時間が長くなります。
施工期間を少しでも短くしたい方は、低気温や高湿度での外壁塗装は避けましょう。
乾燥時間を短縮させるためには、風通しをよくすることが効果的です。
塗装箇所がブルーシートなどで覆われている場合は撤去することで風通しがよくなります。
ただし送風機などで強制的に強い風を当ててしまうと、塗膜が乱れてしまう恐れがあります。
あくまでも、風当たりは自然乾燥で改善させることを徹底しましょう。
外壁塗装の乾燥時間の重要性と想定されるリスクを理解して施工を依頼しよう
本記事では、以下の内容について解説いたしました。
・外壁塗装の乾燥時間の重要性
・乾燥時間が不足した際のリスク
・塗装の乾燥時間を理解するための予備知識
・外壁塗装において乾燥時間が必要な工程
・外壁塗装の乾燥時間を短縮させる方法
外壁塗装において、乾燥の工程は非常に重要です。
乾燥時間を把握しておけば、外壁塗装での「作業の流れ」や「かかる日数」を具体的にイメージしやすくなります。
本記事を参考にして、信頼できる業者に外壁塗装の施工を依頼しましょう。
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