「塗装工事で下地処理が必要な理由は何だろう？」
「塗装工事の下地処理で使われる施工方法はどのようなものがある？」
これから塗装工事を考えている人のなかには、このような疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
下地処理は、塗料の密着性を高めるために必要な工事です。
下地処理が甘くなってしまうと、塗料の密着性が悪くなり、塗料が効果を発揮しにくくなります。
本記事では、塗装工事で下地処理が必要な理由や施工方法について紹介します。
塗装工事では、不十分な下地処理で再塗装を行ってしまうと、塗料がしっかりと密着しません。
塗料が密着しないことで、塗料の持ちが悪くなります。
本来であれば10年、20年と持つ塗料であっても、下地処理が不十分なまま塗装してしまうと数年で再塗装が必要になります。
数年での再塗装は、費用面での損の原因になるため、注意が必要です。
また、下地処理の有無は塗装後の仕上がりにも影響します。
下地処理を怠ったまま塗装を行なった場合、ザラザラとした表面の仕上がりになります。
ザラザラとした表面の仕上がりは外観の美しさを損なうため、外壁や屋根塗装後、綺麗な仕上がり状態にするためにも、下地処理は重要です。
下地処理を行わないと、塗装後に以下の劣化症状が起こります。
・外壁のひび割れ
・塗膜の剥がれや剥れ
・錆の再発
下地処理が不十分な場合、塗装をしても効果を十分に発揮しません。
結果的に、塗装の回数が増えてしまい、トータルコストが高くなります。
費用を抑えようと考え、DIYで下地処理や塗装工事を行っても、劣化症状の根本解決に繋がるわけではありません。
下地処理を丁寧に行ってくれる業者を選ぶことはもちろん、DIYで下地処理を行うのではなく、業者に依頼するようにしましょう。
塗装工事の下地処理で使われる方法は、以下のとおりです。
・高圧洗浄
・コーキング補修
・パテ埋め
・セメント補修
・ケレン作業
1つずつ詳しく解説していきます。
高圧洗浄とは、水圧で汚れやコケなどを除去する下地処理の方法のことです。
トズルを状況に合わせて使い分けることができれば、しつこい汚れやペンキなども取ることができます。
高圧洗浄の水圧が弱く、汚れが付着したままになると塗料の密着性が悪くなります。
塗膜の剥がれや剥れの原因となるため、高圧洗浄は下地処理のなかでも非常に重要です。
下地処理では、コーキング補修も使用されます。
コーキング補修とは、目地のクッションや防水を元通りにする工事のことです。
コーキング補修が行われていない場合、ひび割れや剥がれなどの施工不良を引き起こします。
また、塗装後の見た目も悪くなることから、建物の美観も良く映りません。
コーキング補修では、コーキング材を補充する増し打ちとすべてのコーキング材を入れ替えるコーキング打ち替えの2種類が使われます。
外壁の劣化状態によって使用される補修方法が異なるため、下地処理前に確認しておきましょう。
パテ埋めとは、タッカーによって発生する小さな穴や出っ張りをパテで滑らかにすることを目的とした下地処理のことです。
タッカーによる穴や出っ張りを放置していると、液だれを起こしたり、色ムラが発生したりします。
塗装後の仕上がりが悪くなってしまう原因にもなってしまうため、パテ埋めは下地処理のなかでも重要な塗装方法になります。
「パテ埋めぐらいDIYでできるだろう？」と考える方も多いと思いますが、パテ埋めにも技術が必要です。
自分で行うのではなく、業者に任せるようにしましょう。
セメント補修とは、劣化部分をハンマーで叩いて落とし、新たにセメントを打つ補修方法のことです。
セメント補修では小さな穴や傷を埋めるために、使用されます。
大きな穴ができていたり、少し触っただけで崩れてしまったりするような状態の場合には、セメント補修は効果を発揮しません。
このような場合、セメント補修を行った状態でいくら塗装を行ったとしても、すぐに劣化に繋がるため、使用時には注意が必要です。
ケレン作業とは、電動工具などを使用し既存の古い塗膜などを手作業で除去する下地処理のことです。
下地に細かい傷をつけることで、新しい塗膜との密着性を高めます。
錆落としにも効果的であり、錆の完全除去に有効的な方法でもあります。
金属製の外壁や屋根の場合、錆を完全に落としたうえで塗装を行わないとすぐに錆が発生してしまうため、金属製の外壁や屋根には大切な下地処理です。
下地処理の施工手順について、下記の種類別に紹介します。
・サイディング壁の場合
・モルタル壁の場合
・鉄部の場合
・木部の場合
それぞれ順番に解説します。
サイディング壁でひび割れが起こった場合の下地処理では、まずひび割れ部分を清掃します。
清掃にて汚れやゴミを除去することで、塗料の密着度を高めることが可能です。
清掃完了後、プライマーを塗布し、シーリングで充填します。
シーリングの充填では、ひび割れ箇所を埋め、しっかりと防水することが大切です。
最後にモルタルにて表面を塗装することで、ひび割れの補修が完了です。
サイディング壁は、サイディングを留めている釘周りにひび割れが発生しやすくなっています。
軽度なひび割れの場合はシーリングを充填することで補修ができますが、大きなひび割れはシーリングの充填だけで補修することはできないため、注意が必要です。
モルタル壁でひび割れが起こった場合の下地処理では、ひび割れ部分を専用機材にてカットします。
断面をU字になるようにカットすることで、外壁材の破損を防ぐことが可能です。
カット後ひび割れ部分を乾燥させ、シーリングのプライマーを塗布し、コーキングを充填します。
コーキング充填後、防水モルタルを既存外壁の高さに合わせるようにコテなどで平らに仕上げます。
平らに仕上げることで、塗装の仕上がりが大きく変わるため、慎重に補修を行うことが大切です。
モルタル壁の場合、部分補修を行うと、既存外壁部分との色の差が発生する場合があります。
そのため、使用する塗料の色は既存外壁を確認しながら選ぶ必要があります。
鉄部の場合、初めに劣化した塗膜を除去します。
ケレン作業にて塗膜を除去した後、鉄部に付着する錆を削り取ります。
削りカスが付着したままだと、塗料との密着性が低くなるため、しっかりとふき取ることが重要です。
鉄部は錆が目立ちやすい箇所でもあります。
錆の発生は進行の原因となるため、定期的に確認しておくことが大切です。
木部の場合、まずは高圧洗浄を行い、木材を傷つけないように汚れを取っていきます。
木材が乾燥した後、木部の表面に残っている塗料を工具で落とし、塗料との付着性を高めます。
木部の表面を綺麗にすることで、下地処理は完成です。
木部は乾燥をしっかり行わないと割れの原因となるため、慎重に行う必要があります。
塗装工事では下地処理が非常に重要です。
下地処理を怠ってしまうと、塗料が剥がれやすくなってしまい、すぐに劣化が生じます。
また、工程や日数の関係から下地処理を適当に行う業者も少なくはありません。
丁寧に施工してもらうためにも、余裕を持ったスケジュール管理と丁寧に施工してくれる業者を選びましょう。
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