屋根塗装を検討する時期の目安は?屋根材ごとの塗り直しのタイミングを解説

しかし、普段から自宅の屋根を気にして見ている方は少ないのではないでしょうか。
「屋根塗装は定期的な塗り替えが必要と聞いたけれど、いつにすればいいのかわからない」
「10年経ったら塗り替えないといけないと言われたけれど本当?」
このようにお悩みの方も多いかもしれません。
本記事では、屋根塗装を行う時期の目安や塗装が劣化しているサインなどを解説します。
自宅屋根の塗装の塗り替え時期に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧になって参考にしてみてください。
屋根の塗装を検討する時期の目安

代表的な屋根材の耐用年数と塗り替え期間の目安をみていきましょう。
トタン屋根
亜鉛メッキ鋼板を使用した金属屋根の一種で、現在の住宅ではあまり見かけなくなった屋根材です。
軽くて工事しやすく、雨漏りも少ないメリットはあるものの、耐熱性や防音性の面では劣ります。
トタン屋根の耐用年数は6~20年で、屋根塗装の塗り替え目安は5~10年です。
耐用年数は長めですが、塗膜が剥がれて内部にサビが発生すると一気に傷みが進行するため定期的な塗り替えが必要不可欠になります。
軽くて工事しやすく、雨漏りも少ないメリットはあるものの、耐熱性や防音性の面では劣ります。
トタン屋根の耐用年数は6~20年で、屋根塗装の塗り替え目安は5~10年です。
耐用年数は長めですが、塗膜が剥がれて内部にサビが発生すると一気に傷みが進行するため定期的な塗り替えが必要不可欠になります。
ガルバリウム鋼板
アメリカで生まれた金属屋根の一種であるガルバリウムは、近代的で美しい見た目が特徴で、現在では屋根材として日本でも広く使われています。
サビにくく軽量で高い耐久性・耐震性があり加工もしやすいため、さまざまな建物に使用できる優れた屋根材です。
金属製のため断熱・防音性が低く、雨音を抑えるための対策が必要になる点はデメリットとして挙げられます。
ガルバリウム鋼板は耐用年数が20~50年と高く、塗り替えも最大25年程度が目安と長持ちです。
サビにくく軽量で高い耐久性・耐震性があり加工もしやすいため、さまざまな建物に使用できる優れた屋根材です。
金属製のため断熱・防音性が低く、雨音を抑えるための対策が必要になる点はデメリットとして挙げられます。
ガルバリウム鋼板は耐用年数が20~50年と高く、塗り替えも最大25年程度が目安と長持ちです。
スレート屋根
スレート屋根はセメントを主成分にしている屋根材で、住宅用には平板上のタイプがよく使用されています。
軽量で施工しやすく、建物にも負荷を与えにくいため地震にも強いのがメリットです。
一方で耐久性・防水性はあまり高くありません。
耐用年数は15~30年と比較的長めになっているものの、表面塗装の劣化が進むと素材そのものが傷みやすくなります。
5~15年程度を目安に定期的な屋根の塗り替えが必要です。
軽量で施工しやすく、建物にも負荷を与えにくいため地震にも強いのがメリットです。
一方で耐久性・防水性はあまり高くありません。
耐用年数は15~30年と比較的長めになっているものの、表面塗装の劣化が進むと素材そのものが傷みやすくなります。
5~15年程度を目安に定期的な屋根の塗り替えが必要です。
アスファルトシングル
アスファルトシングルはガラスファイバーをコーティングして表面を砂粒で着色したアメリカ生まれの屋根材で、海外では広く使用されています。
シートタイプのため、複雑な形状の屋根にも施工できます。
バリエーションも豊富でさまざまな外観にマッチするのがメリットです。
施工しやすく防水性・防音性に優れ、軽量なため耐震性も高くなっています。
耐用年数は20〜30年と比較的長いです。
しかしカビやコケが発生しやすい材質でもあるため、10〜15年程度で定期的な塗り替えが必要です。
シートタイプのため、複雑な形状の屋根にも施工できます。
バリエーションも豊富でさまざまな外観にマッチするのがメリットです。
施工しやすく防水性・防音性に優れ、軽量なため耐震性も高くなっています。
耐用年数は20〜30年と比較的長いです。
しかしカビやコケが発生しやすい材質でもあるため、10〜15年程度で定期的な塗り替えが必要です。
セメント瓦
セメントから成型された「セメント瓦」は、以前は住宅の屋根に広く使われていました。
耐用年数が30〜40年と比較的長く、コストも低く施工できるのがメリットです。
1970〜80年代にかけての高度経済成長期に流行していた屋根材です。
ただし粘土瓦に比べると寿命は短く、塗装をしないと劣化スピードが早くなってしまうというデメリットがあります。
5~15年程度を目安に屋根塗装のメンテナンスが必要です。
耐用年数が30〜40年と比較的長く、コストも低く施工できるのがメリットです。
1970〜80年代にかけての高度経済成長期に流行していた屋根材です。
ただし粘土瓦に比べると寿命は短く、塗装をしないと劣化スピードが早くなってしまうというデメリットがあります。
5~15年程度を目安に屋根塗装のメンテナンスが必要です。
日本瓦
粘土瓦ともいわれ、古くから日本の住宅で使用されてきた屋根材です。
耐用年数が非常に長く、メンテナンスなしで100年以上使われるケースもあります。
断熱性や遮音性が高いのもメリットです。
しかし値段は高価で重量があるため建物に負担をかけやすい点がデメリットです。
日本瓦の場合は、基本的に屋根塗装(塗り替え)を実施する必要がありません。
耐用年数が非常に長く、メンテナンスなしで100年以上使われるケースもあります。
断熱性や遮音性が高いのもメリットです。
しかし値段は高価で重量があるため建物に負担をかけやすい点がデメリットです。
日本瓦の場合は、基本的に屋根塗装(塗り替え)を実施する必要がありません。
適切な時期に屋根を塗装せず放置するリスク

適切なメンテナンスをしないまま不具合を放置するのは危険です。
定期的な塗装を実施しないでいると、塗膜が劣化して防水効果が失われ、雨漏りが起きる恐れがあります。
雨水が入り込むと、屋根の下にある防水シートや野地板まで侵食が進む可能性もあります。
深刻な被害が出てしまうと塗装のやり直しだけでは修復できず、屋根の葺き替えなどが必要になって高額な費用がかかる可能性もあるため要注意です。
屋根の塗装時期のタイミングを見極めるサイン

・屋根の色褪せ、変色
・コケ、カビ
・ひび割れ
・塗膜の剥がれ
・屋根材の破損
・サビ
詳しくみていきましょう。
屋根の色褪せ・変色
色褪せは施工してから年数が経つと起きる劣化現象で、屋根がくすんだり、色ムラができたりした状態です。
塗膜が劣化してきたサインであり、色褪せ・変色が出てきたら塗り替えを検討する必要があります。
屋根の劣化としては初期段階の症状で、今すぐに対処しなければならないわけではありません。
しかし進行すると住宅の寿命を縮める原因になることもあるため、定期的にチェックしてください。
塗膜が劣化してきたサインであり、色褪せ・変色が出てきたら塗り替えを検討する必要があります。
屋根の劣化としては初期段階の症状で、今すぐに対処しなければならないわけではありません。
しかし進行すると住宅の寿命を縮める原因になることもあるため、定期的にチェックしてください。
コケ・カビ
屋根の表面にコケやカビ、藻などが発生している状態です。
塗膜の劣化によって雨水などが流れにくくなったのが原因で、粘土瓦やアスファルトシングルで起こりやすいです。
放置しておくと美観を損ねたり悪臭を放ったりするため、早めに対処すべきといえます。
高圧洗浄機を利用して除去できない場合は、塗装のやり直しが必要になります。
塗膜の劣化によって雨水などが流れにくくなったのが原因で、粘土瓦やアスファルトシングルで起こりやすいです。
放置しておくと美観を損ねたり悪臭を放ったりするため、早めに対処すべきといえます。
高圧洗浄機を利用して除去できない場合は、塗装のやり直しが必要になります。
ひび割れ
屋根の表面にひび割れが発生している状態です。
経年劣化や地震などの衝撃が発生原因になっています。
スレートやセメント瓦、日本瓦などで発生しやすく、放置すると隙間から雨水が入り込んで雨漏りや屋根材の滑落などを引き起こすため早めに対処しましょう。
ひび割れでは塗装の塗り直しだけでは修復できず、屋根材の交換が必要になる場合もあります。
経年劣化や地震などの衝撃が発生原因になっています。
スレートやセメント瓦、日本瓦などで発生しやすく、放置すると隙間から雨水が入り込んで雨漏りや屋根材の滑落などを引き起こすため早めに対処しましょう。
ひび割れでは塗装の塗り直しだけでは修復できず、屋根材の交換が必要になる場合もあります。
塗膜の剥がれ
経年劣化などが原因で屋根の表面を覆っている塗装の塗膜が剥がれ落ちてしまった状態です。
トタンやスレート、ガルバリウム、セメント瓦などで発生しやすいです。
外から見たときに色が変わっているため、比較的気づきやすい劣化現象といえます。
塗膜の剥がれが視認できるようなら屋根塗装の劣化が進んでいる証拠のため、早めの対処を検討しましょう。
トタンやスレート、ガルバリウム、セメント瓦などで発生しやすいです。
外から見たときに色が変わっているため、比較的気づきやすい劣化現象といえます。
塗膜の剥がれが視認できるようなら屋根塗装の劣化が進んでいる証拠のため、早めの対処を検討しましょう。
屋根材の破損
飛来物などが原因で屋根材が割れたり剥がれ落ちたりするなど、屋根の一部が破損している状態です。
どのような屋根材を使用していても、外部からの衝撃を受けると破損が起きる可能性があります。
放置すると雨漏りや瓦の滑落などが起きる原因になるため、発見した場合は早急に処置を施してください。
どのような屋根材を使用していても、外部からの衝撃を受けると破損が起きる可能性があります。
放置すると雨漏りや瓦の滑落などが起きる原因になるため、発見した場合は早急に処置を施してください。
サビ
トタンやガルバリウムなどの金属製屋根材で発生する劣化現象がサビです。
屋根を見たときに、赤や茶色などの変色が見られたらサビが発生している可能性が高いといえます。
金属が錆びるのは当たり前だと思う方もいるかもしれません。
しかしサビとは腐食であり、進行すると屋根に穴が開いてしまうケースもあるため早めの対処が必要です。
屋根を見たときに、赤や茶色などの変色が見られたらサビが発生している可能性が高いといえます。
金属が錆びるのは当たり前だと思う方もいるかもしれません。
しかしサビとは腐食であり、進行すると屋根に穴が開いてしまうケースもあるため早めの対処が必要です。
屋根塗装に関するよくある質問

・屋根の塗装時期の目安が10年といわれるのは本当?
・屋根の塗装には意味がないといわれるのは本当?
・屋根の塗装をやり直すならいつがいい?
・屋根の塗装をやり直すと何日くらいかかる?
詳しくみていきましょう。
屋根の塗装時期の目安が10年といわれるのは本当?
一般的に屋根の塗装時期の目安は10年といわれますが、耐用年数と塗装時期の目安は屋根材によって異なります。
5~15年が塗り替え時期の目安になっている屋根材は多いものの、必ずしも10年とは言い切れません。
劣化がひどいケースなど10年よりも早くメンテナンスが必要な場合もあるため、自宅屋根の状態を見て判断してください。
5~15年が塗り替え時期の目安になっている屋根材は多いものの、必ずしも10年とは言い切れません。
劣化がひどいケースなど10年よりも早くメンテナンスが必要な場合もあるため、自宅屋根の状態を見て判断してください。
屋根の塗装には意味がないといわれるのは本当?
屋根材のなかには、日本瓦のように基本的に塗装を必要としない材料も存在しています。
施工したばかりの新しい屋根や劣化の進行がひどく、塗装だけでは補修できない屋根も塗装の必要性は低いです。
しかし「すべての屋根に塗装が必要ない」というわけではありません。
多くの屋根材では、表面の塗膜が屋根を保護する役割を果たしています。
適切なメンテナンスを怠っていると、劣化が進んで屋根の葺き替えなど高額な費用がかかる場合もあります。
施工したばかりの新しい屋根や劣化の進行がひどく、塗装だけでは補修できない屋根も塗装の必要性は低いです。
しかし「すべての屋根に塗装が必要ない」というわけではありません。
多くの屋根材では、表面の塗膜が屋根を保護する役割を果たしています。
適切なメンテナンスを怠っていると、劣化が進んで屋根の葺き替えなど高額な費用がかかる場合もあります。
屋根の塗装をやり直すならいつがいい?
屋根の塗装をするなら、塗料が乾きやすい時期を選びましょう。
最適な季節は春と秋で、反対に向いていないのは夏と冬です。
夏場は屋根の上が高温になり過ぎて塗料が揮発し、塗膜に気泡が出る可能性があります。
逆に気温が低すぎても塗料が乾きにくくなるため、冬場の温度が低下する時期も避けるべきです。
梅雨の時期も、雨のために屋根が塗れてしまって塗装ができなくなったり屋外で塗料に雨水が混ざるケースがあったりするため、避けるのが良いでしょう。
最適な季節は春と秋で、反対に向いていないのは夏と冬です。
夏場は屋根の上が高温になり過ぎて塗料が揮発し、塗膜に気泡が出る可能性があります。
逆に気温が低すぎても塗料が乾きにくくなるため、冬場の温度が低下する時期も避けるべきです。
梅雨の時期も、雨のために屋根が塗れてしまって塗装ができなくなったり屋外で塗料に雨水が混ざるケースがあったりするため、避けるのが良いでしょう。
屋根の塗装をやり直すと何日くらいかかる?
屋根塗装にかかる日数は、一般的に5〜14日程度が目安です。
10日前後はかかると考えておきましょう。
ただし屋根の大きさや季節、天候によっても変わってきます。
塗装に適した春や秋は業者も繁忙期にあたり、予約が取れない可能性も考えられるため、塗装を行うなら早めに連絡しましょう。
10日前後はかかると考えておきましょう。
ただし屋根の大きさや季節、天候によっても変わってきます。
塗装に適した春や秋は業者も繁忙期にあたり、予約が取れない可能性も考えられるため、塗装を行うなら早めに連絡しましょう。
屋根塗装の時期を見極めて大きなトラブルを防ごう

塗装をやり直す時期や耐用年数は屋根材によって異なりますが、変色やコケ・サビ、ひび割れ、塗膜剥がれなどの劣化が見られた場合は、早めに補修しましょう。
屋根塗装をやり直す目安は10年程度といわれますが、屋根材の種類や塗装の状態にもよるため、一概に何年で塗装すべきとはいえません。
普段から自宅の屋根塗装に傷みや劣化などが出ていないか注意してください。