ラジカル塗料は塗料の劣化原因となる「ラジカル」の発生を抑えて、塗膜の寿命を伸ばすことができる塗料です。
紫外線が当たることによる塗膜の劣化を防ぎ、塗装したてのきれいな外壁を維持してくれます。
当記事ではラジカル塗料の基礎知識や、メリットデメリットについて解説しています。
ラジカル塗料について知りたい方はぜひ最後までお読みください。
ラジカル塗料とは外壁を劣化させる要因となる「ラジカル」の発生を抑制できる塗料です。
ラジカル塗料はこのラジカルの発生を抑制することで、外壁塗装の経年劣化を抑えます。
耐候性が高く、紫外線や風雨による劣化に強いという特徴を持ち、塗膜の寿命を長くすることができる塗料です。
汚れが付きにくく美観を長く保てるので、塗料の寿命を伸ばしたい方にはおすすめの塗料です。
そもそもラジカルとは何なのでしょうか。
ラジカルとは紫外線や雨が塗装の表面によって発生する活性酸素の一種です。
塗膜の樹脂や顔料を攻撃する成分なので、発生すればするほど劣化を進めてしまいます。
ラジカルの発生を抑制できれば、外壁の劣化を抑えることができます。
ラジカル塗料の耐用年数の目安は決まってはいません。
なぜかというと、ラジカル塗料は耐用年数の目安を算出するための塗料の主成分が決まっていないからです。
ラジカル塗料は厳密にいうと「ラジカル制御機能のある塗料」の意味です。
耐用年数は塗料の基となる樹脂の成分によって変わります。
ラジカル制御型のシリコン塗料であればシリコン樹脂が基となるので耐用年数は7～15年、ラジカル制御型フッ素塗料であれば、フッ素樹脂が基となるので12～20年となります。
耐用年数を確認するときにはラジカル塗料という考え方ではなく、塗料の基となる樹脂を確認しましょう。
ラジカル塗料はラジカルの発生を抑制できる塗料です。
ラジカル塗料を使用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
・耐久性が高い
・チョーキングが起こりにくい
・光沢が持続する
以上のようなメリットがありますので、それぞれ見ていきましょう。
ラジカル塗料は塗膜の劣化の原因となるラジカルの発生を抑制する効果があります。
ラジカルの発生が抑えられれば、塗膜が劣化しにくくなり美観性を保てます。
さらに紫外線や風雨などの外的要因に強く、長期間にわたって塗膜を劣化させません。
塗膜の劣化を防ぎ、塗装時のきれいな塗膜を長持ちさせられるのがラジカル塗料のメリットです。
ラジカル塗料は塗膜の表面が粉状になる「チョーキング現象」が起こりにくくなります。
チョーキング現象とは塗膜の樹脂が紫外線や風雨によって劣化し、白色の粉末が付着する現象です。
チョーキングは外壁の保護機能が劣化したことを知らせるサインです。
発生していると、塗膜の防水性や耐候性が低下しているので再塗装をしないといけない状態になりつつあります。
チョーキング現象を発生させないことで、きれいな見た目も維持して建物のメンテナンスを減らすことができます。
ラジカル塗料は塗装時の光沢が持続しやすいです。
紫外線や変色の耐性が高く、塗膜が劣化しにくいからです。
防汚性・防カビ性にも優れており、汚れが付着しにくくカビが生えにくいという特徴も持っています。
外壁の美観性が高くなるので、光沢が持続できメンテナンスコストの削減につながります。
ラジカル塗料にはメリットだけでなくデメリットもあります。
・濃い色を選べない
・実績が少ない
・製品の数が少ない
これらのデメリットについてもそれぞれ見ていきましょう。
ラジカル塗料に含まれる「酸化チタン」という成分は白色系です。
酸化チタンが使われていることで、ラジカルの発生を抑えることができています。
そのため、販売されているラジカル塗料は基本的に白色系の色になります。
黒などの濃い色は販売されておらず選択できないので、その点は注意してください。
ラジカル塗料は従来の塗料に比べて比較的新しい技術が用いられています。
初めてラジカル塗料が発売されたのが2012年で、市場へ導入されてからの期間はまだ短いです。
現在徐々に普及している段階なので、実際に塗装されている実績が少ないのが実情です。
実際の塗装事例を持っていない塗装業者もいるので、経年による劣化がどの程度出るのかが確認しにくいというデメリットがあります。
新しい技術を用いて作られているラジカル塗料は、まだまだ塗装業界全体に普及しているとは言い切れません。
そのため、販売しているメーカーもその他の塗料に比べると多くないのが実情です。
ラジカル塗料を使いたいと思ったときも選択肢自体が少ないので、選びにくいのがデメリットです。
ラジカル塗料と似ている塗料としてフッ素塗料があります。
フッ素塗料もラジカル塗料とも紫外線の劣化に強く汚れへの耐性も高い塗料ですが、明確な違いがあります。
それは塗料に使われる樹脂の成分が異なるということです。
フッ素塗料はフッ素を主成分として作られる塗料ですが、ラジカル塗料はラジカルを主成分として作られる塗料ではないということです。
ラジカル塗料は「ラジカルの発生を制御する効果を付与した塗料」のことを指します。
そのため、ウレタンやシリコンなどの樹脂を主成分として作られています。
どちらも高機能な塗料であることに変わりはないですが、ラジカル塗料は塗料の主成分によって耐用年数が変わる可能性があることを知っておいてください。
ラジカル塗料は日本ペイント株式会社の2012年の発売以降、様々なメーカーから販売されるようになってきています。
ラジカル塗料の主な製品は以下になります。
・パーフェクトトップ
・エスケープレミアムシリコン
・アレスダイナミックTOP
各メーカーが販売している主な製品について、特徴と合わせて紹介していきます。
パーフェクトトップは日本ペイント株式会社製の国内初のラジカル塗料です。
酸化チタンをコーティングしてラジカルの発生を抑制しています。
ラジカルが発生しないことにより紫外線による劣化を防げ、塗膜の分解を抑えてくれています。
主成分はアクリル樹脂です。
水性塗料なので現場で溶剤を使用する必要がなく、嫌な臭いがしないのが嬉しい製品です。
エスケープレミアムシリコンはエスケー化研株式会社製の塗料です。
シリコン樹脂系のラジカル制御型塗料となっています。
ツヤの有無が選択可能なので、お好みに合わせた外壁塗装が可能です。
グレードの高いエスケープレミアムシリコンBIOという製品も展開しており、こちらは独自の技術で防カビ性や防藻性を高めています。
アレスダイナミックTOPは関西ペイント株式会社製の製品です。
シリコン樹脂を原料とした塗料です。
「ダイナミック強化剤」という独自の強化剤が配合されており、雨天後の湿っている面でも塗装ができる強みを持っています。
少々の雨でも工事を止めなくていいので、工期の短縮に繋がります。
超低汚染リファインシリーズは株式会社アステックペイントの主力シリーズです。
業界トップクラスの汚染を抑える力できれいな外壁を長持ちさせます。
シリコン樹脂が基となっている塗料です。
遮熱性能も付いているので、暑さ対策になる点が強みです。
外壁塗装でラジカル塗料を使用するなら業者に相談しよう
ラジカル塗料価格は高いですが、耐久性が高く長期間使える塗料です。
ラジカル塗料を使って外壁を塗装するときには業者に相談して見積もりを依頼しましょう。
DIYで塗装すると安価に済みますが、失敗するリスクが高くなり後悔してしまうかもしれません。
外壁塗装をするときには業者へ依頼して失敗しない後悔のないような塗装をしましょう。
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