「外壁塗装で使う塗料にはどのような種類があるのだろう？」
「塗料によってどのようなメリットとデメリットがあるのだろう？」
外壁塗装をする場合は、用途やイメージに合わせて使用する塗料を選ぶ必要があります。
本記事では外壁塗装で使う塗料の種類について、以下の点を中心に解説します。
・種類別の外壁塗装で使う塗料のメリットとデメリット
・外壁塗装に使う塗料の種類ごとの耐久性と使用をおすすめする人
・外壁塗装が必要な理由と複数の種類がある理由
外壁塗装に使う塗料を選ぶときのポイントについても解説していますので、これから外壁のリフォームをする方はぜひご一読ください。
【種類別】外壁塗装で使う塗料のメリット・デメリット
外壁塗装で使われる塗料の種類によってメリットとデメリットがあります。
今回は以下の塗料の良い点と悪い点を解説します。
・シリコン塗料
・フッ素塗料
・無機塗料
これから外壁の再塗装をする予定の方は参考にしてみてください。
シリコン塗料の特徴は以下の通りです。
【メリット】
・壁の表面に汚れが付きにくくなる
・バリエーションが多いため好みのものを選べる
【デメリット】
・表面がひび割れを起こす可能性がある
シリコン塗料は合成樹脂を主成分とし、シリコンを含んでいる塗料のことです。
親水性があるため雨水とともに汚れが落ち、外壁の見た目を美しく保てます。
また耐久性が高く紫外線や熱に強いため、日差しを直接受ける外壁を外的刺激から保護できます。
商品の種類も豊富なので、自分の好みに合うものを選べるのもポイントです。
ただシリコン塗料は塗膜が固くなりやすく、経年劣化によりひび割れができてしまう場合があります。
さらに重ね塗りをするのが難しく高度な技術が必要なため、施工できる職人が限られるので注意しましょう。
フッ素塗料の特徴は以下の通りです。
【メリット】
・耐久性が高く長くきれいな状態を維持できる
【デメリット】
・他の塗料と比べると価格が高い
フッ素塗料は、フッ素樹脂を配合した塗料のことです。
そのため雨や風、紫外線などの気候による刺激に強い耐候性を備えています。
フッ素塗料は塗膜が硬くなる性質があるため、紫外線に強いのもメリットです。
ただ他の外壁塗料と比べて費用がかかるため、予算も合わせて検討してみてください。
無機塗料の特徴は以下の通りです。
【メリット】
・経年劣化しにくく耐久性が高く
・撥水効果が高い
【デメリット】
・他の塗料よりも費用がかかる
・有機系塗料と比べるとひび割れしやすい
無機塗料は炭素を含まない無機物質でできた塗料のことです。
炭素が含まれていないため紫外線を受けても劣化しにくいのがメリットです。
また耐久性が高くカビが発生しづらいので、長い期間外観をきれいなまま維持できます。
さらに撥水効果も高く、水や汚れを弾きやすいのも特徴です。
塗膜が硬くなる無機塗料は、有機成分を混ぜることで塗料の弾力性を高められます。
外壁塗装に使う塗料の種類ごとの耐久性と使用をおすすめする人
外壁塗装に使う主な塗料の耐用年数は以下の通りです。
・シリコン塗料：3～13年
・フッ素塗料：12～18年
・無機塗料：15～25年
塗料の耐用年数を参考にそれぞれの耐久性を比較し、各塗料の特徴をまとめてどのような方におすすめかお伝えします。
シリコン塗料は他の塗料と比べると比較的手頃な価格であるものの、耐用年数が少し短くなります。
それでも以前主流だったアクリル塗料やウレタン塗料よりは耐用年数が長いため、十分効果を発揮できます。
そのため耐久性をある程度確保でき、メンテナンス費用を抑えたい方におすすめです。
フッ素塗料は塗膜が硬くなるため耐久性が高く、一度塗装すれば外壁をしっかり保護できます。
一般的な塗料と比べて費用はかかりますが、長持ちする塗料を探している方におすすめです。
無機塗料は耐久性がとても高いため、長い間きれいな状態を保てるのが特徴です。
ただ塗料の中でもハイグレードなので、他の種類と比べると多くの初期費用がかかります。
それでも一旦塗装すれば効果が長持ちするため、メンテナンスの手間を減らしたい方におすすめです。
ここからは外壁塗装が必要な理由と、それぞれの塗料の役割について解説します。
外壁塗装をする主な理由は、紫外線や雨風から外壁を保護することです。
そして塗装を行い外的刺激から外壁を守ることで、建物自体を保護して耐久性を高めるのが目的です。
外壁にひび割れなどが起こると、壁の強度が低下してしまいます。
そして壁から雨水が浸水すると柱や床が腐ってしまい、建物自体の寿命が短くなります。
そのため外壁塗装をして塗膜で表面をコーティングすることで、紫外線や風雨などによる刺激を抑制でき、劣化を遅らせられるのです。
また外壁塗装には建物の美観を保つ役割もあります。
経年劣化により色がくすんだり塗装がはがれたりするため、定期的にメンテナンスをするのがおすすめです。
外壁を補修することで見た目がきれいになり、新築のときのような外観に生まれ変わるでしょう。
なお塗料ごとに耐久性に優れたものや汚れに強いもの、防水性が高いもの、遮熱や断熱性能が高いものなど機能が異なります。
各塗料の特徴を調べ、目的に合った塗料を選んでみてください。
外壁塗装に使う塗料を分類するポイントは以下の通りです。
・水性と油性
・1液型と2液型
・塗料ツヤありとツヤなし
塗料の分類の仕方とそれぞれの違いについて解説しますので、塗料を選ぶ際に参考にしてみてください。
外壁の塗装に使う塗料には水性と油性があります。
原材料を水で溶かしたものが水性で、シンナーなどで溶かしたものが油性です。
水性の塗料は油性よりも価格が安く、においがあまりきつくないのが特徴です。
一方で油性塗料は水性より価格が高いものの、耐久性が高いため塗料の効果を長持ちさせられます。
外壁の塗装に使う塗料は、1液型と2液型に分かれています。
1液型は2液型のように硬化剤を混ぜ合わせる必要がなく、水やシンナーなどで塗料を薄めるだけで使えるのがメリットです。
そのため2液型と比べて手間がかからず、硬化剤の配分を間違えるミスを防げるため施工品質を保てます。
また1液型の塗料は翌日でも使用できるため、一度塗料を薄めるだけで最後まで使い切れます。
一方で2液型は、主剤と硬化剤を混ぜ合わせて使うのが特徴です。
硬化剤を混ぜて使う2液型はその都度使い切る必要があり、別日に作業する場合は再度塗料を混ぜ合わせなければいけません。
1液型より手間はかかるものの、より強固な塗膜を作れるため耐久性を高められるのがメリットです。
また2液型は塗装できる素材が多いため、幅広い外壁に対応できます。
外壁の塗装に使う塗料には、ツヤありとツヤなしがあります。
ツヤありの塗料は汚れが付きにくく、耐久性が高いのが特徴です。
また種類がたくさんあるため自分の好みの色を選べます。
ただツヤありの塗料は年数が経つにつれてツヤが薄れてしまうので、安っぽく見えてしまいかねません。
一方でツヤなしの塗料は、マットな仕上がりになるため高級感が出ます。
時間が経っても色落ちしにくいので、きれいな見た目を維持しやすいのもポイントです。
ただツヤありと比べると汚れが付きやすく耐久性が低いことと、色のバリエーションが少ないのがデメリットです。
塗料を選ぶ際のチェックポイントは以下の通りです。
・外壁塗装を行う目的で選ぶ
・外壁材の種類に合わせて選ぶ
・自分の利用や建物のイメージに合わせて色を選ぶ
外壁の塗装をする際は、これから説明するポイントをもとに塗料を選んでみてください。
まずは外壁塗装をしたいと思った理由をもとに、今ある問題を解決できる塗料を選びましょう。
塗料の主な役割は、外壁の保護機能をつけることか美観を保つことです。
保護機能を高めるために外壁の塗装をする場合は、外的刺激に強い耐候性の高いものがおすすめです。
さらに防水効果が高い塗料だと、建物の内部に雨水が入り込むのを防げます。
色あせを防ぎツヤを維持したいなど外壁の美観にこだわる場合は、汚れが付きにくい低汚染塗料がおすすめです。
多少の汚れなら雨で洗い流してくれ、外壁の洗浄を行わなくてもきれいな状態を長く維持できます。
特に太陽の力を使って汚れを分解する光触媒塗料の場合、より汚れが付きにくくなります。
外壁の塗装に使う塗料を選ぶ際は、自宅の外壁の種類に合わせて相性の良い塗料を決める方法もあります。
たとえば主原料がセメントの窒素系サイディングは、経年劣化により防水性能が低下してしまうのがデメリットです。
そのため防水塗料を使えば、雨水から外壁を保護できます。
また砂やセメントを練り混ぜて作られたモルタルも防水性が低いため、防水塗料がおすすめです。
表面の凹凸の溝の汚れが気になる場合は、汚れがたまりにくい低汚染塗料を使ってみてください。
表面が金属でできている金属系サイディングはさびやすいため、防さび効果のある塗料を使うと耐久性を高められます。
なお吸水性が高いセメントや石膏などを固めたALC（軽量気泡コンクリート）は、防水塗料を使うと水を弾きやすくなります。
外壁の塗装に使う塗料の色を選ぶときは、自分の好みや建物との相性で選ぶのがおすすめです。
色選びで迷ったときは、「温かい印象にしたい」「シックな印象にしたい」など自分のイメージをもとに選んでみてください。
たとえばベージュや白系の塗料はナチュラルな印象になり、ダークやグレー系の塗料にするとシックな印象になります。
また赤やオレンジなどの暖色系を合わせると、全体が明るい印象になります。
さらに建物と塗料の色の相性も合わせて、馴染みの良い色を選択してみてください。
なお色見本を見ただけで塗料の色を決めてしまうと、実際に塗装したときにイメージとのギャップが生じやすくなります。
そのため、塗装で使う予定の塗料を使った実際の施工事例を見ておくと安心です。
外壁塗装を行う際はどのような種類の塗料があるかをチェックし、それぞれの特徴を調べておくのがおすすめです。
今回ご紹介した記事の内容を参考にし、ご自身の目的に合わせて塗料を選んでみてください。
外壁塗装で使われる塗料の種類や特徴については別の記事でも詳しく解説していますので、こちらもあわせてチェックしてみてください。
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