「無機塗料がどんな塗料かわからない」
「メリットとデメリットを知った上で、塗装するか検討したい」
このように思うことはないでしょうか。
無機塗料は塗料の中でも高性能な塗料で、耐用年数の長さや耐候性などが優れています。
しかし無機塗料は比較的新しい塗料のため、まだ聞き慣れないという方も少なくありません。
そこで本記事では、無機塗料について詳しく紹介します。
無機塗料の概要やメリット・デメリット、無機塗料がおすすめの人などを解説するので、ぜひご覧ください。
無機塗料とは、セラミック・ケイ素といった無機物を主成分とした塗料のことです。
無機物とは、一般的に生命体によって生成されない鉱物などの物質を指します。
無機物は紫外線にさらされ続けても劣化しないという特徴があり、無機物を主成分とする無機塗料は高い耐候性と耐久性を備えます。
無機塗料の耐用年数は外壁で18〜20年あり、屋根は外壁より2〜6年ほど短い傾向があります。
できるだけメンテナンスや塗装の回数を減らしたい方に、無機塗料はおすすめです。
無機塗料のメリットとして、以下の4つが挙げられます。
・耐候性が高い
・不燃性がある
・カビやコケが生えにくい
・汚れが落ちやすい
それぞれ詳しく解説します。
無機塗料は、紫外線や雨水にさらされ続けても劣化しにくい耐候性の高さが魅力です。
耐候性が高いと、住宅の外壁を長期間美しく保てます。
耐候性が高い分、メンテナンスの回数や塗り直しの回数も減らせるのもメリットです。
無機塗料は価格が高い傾向がありますが、耐候性が高いので、長期的に見るとコストパフォーマンスが高い塗料と言えます。
無機物は燃えにくいという性質を備えているため、無機塗料も火事の際に燃えにくいという特徴があります。
無機塗料は無機物だけでなく少量の有機物も含まれているため、まったく燃えないわけではない点には注意が必要です。
しかし有機塗料と比較すると燃えにくい塗料といえます。
万が一近隣で火事が発生した場合でも、無機塗料は燃え移りにくいので二次災害の発生リスクを低減する効果が期待できます。
無機塗料は、微生物が栄養とする有機物の含有量が少ないため、カビやコケが生えにくい点もメリットです。
カビやコケが生えてしまうと、建物の外観が損なわれてしまいます。
もしカビやコケが根を張ってしまうと、建材にダメージも与えてしまいます。
無機塗料で塗装すると、外観を長く美しく保つだけでなく、外壁や屋根などの建材を保護することも可能です。
建材を長く良好な状態に保ちたいのであれば、無機塗料をおすすめします。
無機塗料は親水性が高く、汚れが落ちやすいのも特徴です。
親水性とは水になじみやすい性質のことで、表面に付着した汚れが雨や水などで流れやすくなります。
外壁などに汚れがついても水が塗膜と汚れの間に入り込み、汚れを洗い流してくれるので、外観を美しく保てます。
道路沿いなどの排気汚れが気になる家や、汚れが目立ちやすい白っぽい家などには、無機塗料での施工がおすすめです。
無機塗料のデメリットとしては、以下の2点が挙げられます。
・ひび割れしやすい
・価格が高い
事前にデメリットを把握しておくことで、塗料選びの失敗や後悔を減らせます。
それぞれ詳しく解説するので、ぜひご覧ください。
無機塗料は、ひび割れを起こしやすいのがデメリットです。
無機塗料は無機物が主成分のため、有機塗料と比べて塗膜が非常に硬くなります。
塗装した外壁がひび割れを起こした場合、無機塗料の塗膜も一緒にひび割れてしまうケースが少なくありません。
ひび割れしやすい外壁には、無機塗料は不向きと言えるでしょう。
ただし、無機塗料の中には弾力性が高い製品もあります。
ひび割れが気になる場合は、弾力性の高い製品で対応することも可能です。
無機塗料は塗料の中でも性能が高い分、他の塗料と比べて価格が高い傾向があります。
外壁塗装で広範囲にわたって塗装する場合、安価な塗料と比べて金額に大きな差がでてしまいます。
予算が限られている場合は無機塗料を選べず、他の塗料で塗装するしかないケースが多いです。
一方で耐用年数が長い、メンテナンスが簡単といったメリットも大きいため、長期的に見るとコストパフォーマンスは高くなります。
価格とメリットを考慮して、無機塗料で施工するかどうかご検討ください。
無機塗料での塗装がおすすめの人は以下のとおりです。
・外観を美しく保ちたい人
・将来的な手間や費用を抑えたい人
それぞれ詳しく解説するので、ぜひご覧ください。
建物の外観を美しく保ちたい人は、無機塗料での塗装がおすすめです。
無機塗料はカビやコケが生えにくく、さらに汚れも落ちやすい特徴があります。
汚れたとしても水で簡単に洗い流せるため、他の塗料と比べて少ない手間で外観を美しく保てます。
周辺の湿度が高くてカビやコケが生えやすい、道路沿いで排気汚れが気になる、という方は無料塗料を検討するのがおすすめです。
無機塗料は、将来的な塗り直しの手間や費用を抑えたい人にもおすすめです。
無機塗料は他の塗料と比べて価格が高い傾向にあります。
しかし耐用年数が長いため、メンテナンスや塗り直しの回数を減らせます。
初期費用はかかりますが、メンテナンスや塗り直しの回数を減らせる分、将来的な手間や費用を抑えることが可能です。
長期的なコストや手間を削減したい方は、無機塗料での施工をおすすめします。
無機塗料で施工を依頼する際の注意点は以下のとおりです。
・知識と経験が豊富な業者に依頼する
・同じ無機塗料でも製品によって品質に幅があることに留意する
注意点をおさえておくことで、施工に失敗して後悔するリスクを低減できます。
それぞれ詳しく解説するので、ぜひご覧ください。
無機塗料の塗装には、職人の知識と技術が重要です。
無機塗料のように耐候性の高い塗料の場合、均等な厚さで塗らなければ性能が十分に発揮されないことがあります。
高性能な塗料を使用するほど、技術の高い職人と低い職人で仕上がりに差が出てしまうため、業者選びには注意が必要です。
無機塗料は塗料の中でも新しい塗料なので、施工経験の少ない業者もいます。
無機塗料での塗装を依頼するなら、施工実績を確認し、経験豊富な業者に依頼するのがおすすめです。
同じ無機塗料でも製品によって品質に幅があることに留意する
同じ無機塗料でも、製品によって品質に幅があります。
無機塗料には、無機物がどの程度の割合以上で含まれる必要があるなど、正式な規定がありません。
無機塗料はさまざまな製品があり、なかには少ししか無機物が含まれていないものも、無機塗料と呼ばれていることがあります。
低品質のものや効果が実証されていないものを、無機塗料として高額な価格で販売している悪質な業者も実在します。
無機塗料を選ぶ際には、性能試験が行われている物を選ぶなど、低品質のものを選ばないようにご注意ください。
